じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 日本心理学会第75回大会の会場となった日大文理学部構内の風景と、建物の階段からガラス越しに見えていた都心方面。近くに高層ビルが無いため、東京スカイツリーや東京タワーも見えていた。

9月17日(土)

【思ったこと】
_b0917(土)日本心理学会第75回大会(3)第2日目と3日目のワークショップ、講演

 3日間にわたって行われた日本心理学会第75回大会が終了した。今回は翌日から日本行動分析学会年次大会が開催されるため、記憶の薄れないうちに、参加したワークショップや講演会で気づいた点を一括して記しておくことにしたい。なお、従来より、個人発表についてはここでは一切言及しない。また、ワークショップに関しては、個人名は一切出さず、タイトルのみとさせていただく。講演会は公開性が高いので、講演者のお名前を挙げさせていただく。

 第一日目の感想は9月15日の日記にすでに記してあるので、以下は第二日目と第三日目。
  1. 【16日 9:30-11:30】自己決定理論の新たな展開―「理由」から「将来目標」へ―
  2. 【16日 15:00-17:00】医療・教育現場で真に役立つ自己制御尺度の開発と応用
  3. 【17日 12:30-14:30】招待講演:川島隆太(東北大学)によるCan brain be trained ? 脳は鍛えることができるか
  4. 【17日 15:00-17:00】高齢者のQOLの評価方法と支援方法を探る
 このうち、最もよく準備され、時間の配分も適切で、ワークショップとして成功したと思われたのは、1.であった。もっとも、行動分析学的アプローチに徹している私としては、自己決定理論の議論の場に参加するのは、単独で敵陣に切り込むようなものであった。私としては、相変わらず、行動随伴性による分類のほうが生産的ではないかと思っているが、その一番の理由は、「行動の理由」も目標も、入れ子構造をなすような行動随伴性に置き換えることができると考えるからである。このことについては後日詳しく述べたいと思う。

 3.の招待講演は著名な脳科学者によるものであった。脳トレを胡散臭い言葉だと思っている心理学者も少なくないように思われるが、要するに、脳トレとは、作動記憶トレーニングのことであり、高額な機器を利用して脳内変化のエビデンスをとることによって、有効性の高いトレーニング法を開発しその成果を社会に還元していくという趣旨であると理解した。このことについても後日詳しく感想を述べたいと思っている。

 余談だが、第一日目の17時頃、会場内の参加者の携帯からいっせいに緊急地震速報が流れ、揺れが始まった。関東・東北の方は慣れておられる様子で落ち着いて対応しておられたが、地震がきわめて少ない岡山在住の私にとっては希有な出来事であり、大いに慌ててしまった。

 このほか、学生・院生の頃からの知り合いと歓談したり、近頃お会いしたことの無い方の消息を知ることができた。私と同じ世代はすでに「アラカン」(アラウンド・カンレキ)となっており、すでに引退したり、大学教員を辞めて別の業界に転身された方がそれぞれ複数おられることが分かった。

次回に続く。