じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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2011年版・岡山大学構内でお花見(55)ヒマワリの季節

早朝の散歩時に観られる農学部構内(本部棟南側)のヒマワリ畑。6月29日に第一号が開花してから数日で一斉に咲きそろった。ここのヒマワリは種がいっぱいできる品種のように見える。この場合、種が重くなるにつれて、花全体が頭をうなだれるような格好になってしまう。花自体を鑑賞するのは今が見頃。

7月3日(日)

【思ったこと】
_b0703(日)2011年版・高齢者の心と行動(32) 困難な状況をすべて先延ばしし、何もしないでゴロゴロするだけの退屈な生活を避ける方法(13)まとめ(2)

 7月2日の日記で、
...そもそも日常生活における諸行動というのは、入れ子構造を持っており、さらには、過去の行動の積み重ねがもたらす累積的結果や、将来の大目標への接近評価という形で付加的に強化されている。
と述べた。このうち、「累積的結果」や「将来の大目標」が現在の行動を付加的に強化するという部分についてもう少し詳しくまとめておくことにしたい。

 ここで強調しておきたいのは、、「累積的結果」や「将来の大目標」というのは、その事象自体が現在の行動を直接効果的に強化するのではなく、それらについて何らかの評価・点検行動が並行的に生起しており、それらの行動によって獲得されるポジティブな部分が好子出現となって現在の行動に影響を及ぼしているという点である。このことから言えるのは、
  1. 評価・点検行動が全く行われなければ、付加的な好子は伴わない。
  2. 評価・点検が客観的、公正である必要は全く無い。但し、遂行を確実なものにするためには科学的検証があったほうが「お得」ではある。
  3. 失敗や挫折の体験であっても、成果部分をポジティブに評価すれば、付加的な好子になりうる。

 まず1.のケースに当てはまるのは、「過去のことはすっかり忘れました」、「過去のことは白紙に戻して、一からやり直す」とか、「日々、やるべきことを実践するだけであって、将来に何かを達成しようというような夢は無い」というようなライフスタイルを実践している人々であろう。現在の行動がいま影響を及ぼしている事象だけで十分に強化されているのであれば、わざわざ過去や将来に関心を向ける必要はないので、それもまたアリだとは思う。特に、過去の出来事が現在の行動を妨げる要因になっている場合は、白紙に戻す(=行動分析学的に言えば、過去を想起するような行動が自発されにくい環境を整えること)ほうがベターであるかもしれない。

 次に2.であるが、過去の行動累積的成果を誇大に評価したり、傍からは徒労に見えることを重大な進歩であるかのように解釈することはありうることである。周囲に迷惑を及ぼさない範囲であればそういうこともアリだとは思う。しかし、特に若者の場合は、自身の過去を科学的に検証することのほうが将来の発展につながることは間違いない。思い込みだけで都合のいい事実だけをつまみ食いして誇大に評価ばかりすると、冒険的行動、無謀な行動にはしりやすくなり、結局は、次のステップで大失敗をする確率が高まってしまう。もちろん、何でもかんでもネガティブに評価しすぎると、好子が見あたらなくなり、消極的な状態から抜け出せないことになる。

 最後の3.であるが、例えば、大学入試に失敗しても、それまでの受験勉強でみにつけた知識や、勉学を持続させるノウハウは将来に生かせる。「彼(彼女)に好かれるような立派な人間になろう」と日々自己鍛錬に取り組んだことは、最終的に片思いや失恋に終わったとしても、将来に生かせる成果としてポジティブに評価するべきであろう。どんなケースでもそうだが、成功とか失敗というのは、あらかじめ定めた達成目標に合致しているかどうかによって決められる評価であって、行動そのものに成功や失敗があるわけでは決してない。


次回に続く。