じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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2011年版・岡山大学構内のキノコ(3)
  • A:キノコと呼べるのかどうか不明だが、オガクズの上で非定型の固まりを作っていた。2007年6月25日の写真と同一種とみられる。
  • B:切り株の上に出現。2009年3月13日の写真と同一種とみられる。寿命はきわめて長く1年以上に及ぶ。
  • C:ホウキタケの仲間。フサタケ?
  • D〜F:6月22日の楽天版と同一種。ケショウハツの可能性が高い。




6月24日(金)

【思ったこと】
_b0624(金)2011年版・高齢者の心と行動(24) 困難な状況をすべて先延ばしし、何もしないでゴロゴロするだけの退屈な生活を避ける方法(4)「形式上の阻止の随伴性」がもたらす弱化と、それを支える実質的な随伴性(1)

 6月23日の日記の続き。

 昨日の日記では、「形式上の阻止の随伴性と、それを支える実質的な随伴性」のうち、強化をもたらす随伴性について述べた。本日は、弱化をもたらす阻止の随伴性を取り上げることにしたい。

 阻止の随伴性のうち弱化をもたらすのは、「好子出現阻止の随伴性」と「嫌子消失阻止の随伴性」の2タイプである。

 「好子出現阻止の随伴性」の例としては、
  1. 果物を青いうちにもぎ取ってしまうと、やがて食べられるはずの熟した果物(=好子出現)が食べられなくなる(=阻止される)。
  2. 昼寝の時間に騒いでしまうと3時のおやつ(=好子出現)がもらえなくなる(=阻止される)。
  3. 会社の上司について批判的発言をすると、昇進(=好子出現)が見送られてしまう(=阻止される)。
などを挙げることができる。上記の例では順に「青い果物をもぎとる」、「騒ぐ」、「批判的発言をする」という行動は、それをしなければやがて好子が出現するが、行動してしまうと好子の出現が阻止されてしまうので、行動は弱化されると予想される。しかしこれらはいずれも、実質的な随伴性が別に働いている可能性もある。

 まず、1.は、もぎ取るという行動が弱化されると見なすこともできるが、果樹の栽培の一連の作業手順の中で、「実がこのくらい熟してから収穫する」というルールに基づいて行動しているとも考えられる。であるならば、これは単純に「熟している実(あるいは、開花からの経過日数)」という弁別刺激に基づいて「収穫する」という行動が強化されているだけのことであって、ことさらに「青い実を採ってしまう行動が弱化されている」というパーツを組み込まなくても十分に説明ができる。

 2.の「騒いだら、おやつ没収」というのも、子どものしつけとして活用するのであれば、まずは、騒いでいる時に「止めなさい。これ以上騒ぐとおやつが貰えませんよ」と叱りつけるはずである。その時点で、騒ぐという行動は「叱られる」という習得性嫌子の随伴で十分に弱化されているはずだ。

 3.の「批判的発言」も、実際には、そういう発言をしたときに、「逆らってばかりいたら昇進させてやらないぞ」といった上司のつぶやき、あるいは同僚からの助言などによって弱化されるはずである。そういった直後の弱化が無ければ、批判的言動は簡単には収まらない。
 次回は、嫌子消失阻止の弱化について述べる。