じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



03月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る
§§
 年度末の予算執行期限切れを前に、各所で建築工事が急ピッチで進んでいたが、その一つであった「岡山大学国際交流会館」が竣工、29日(火)に開所式が行われた。このほか、薬学部西側の増築工事も完成した模様。

3月29日(火)

【思ったこと】
_b0329(火)今回の大地震について思ったこと(13)原発事故その後/計画停電の意外な影響

 まず、この日記執筆時点までのNHKオンラインのニュース項目は以下の通り。
  • 汚染された水の処理 新たな問題に
  • 原発周辺 昼前には南東の風に
  • 被災地は氷点下 一時雨か雪も
  • 福島 入学取りやめ連絡相次ぐ
  • JRの運行情報 30日
  • 首都圏の私鉄運行情報 30日
  • カダフィ大佐退陣へ 圧力で一致
 最近は、被災地支援よりも原発事故と計画停電のニュースが多く伝えられているように思う。

 このうち原発事故についての、素人なりの素朴な印象としては、
  • 全く情けない。後手後手のあきれ返る「対策」。
  • 現場作業員の酷使と、東電幹部や保安院の第三者的、デスクワーク的な態度。
  • 「この程度では健康に害は無い」などと言い逃れするばかりで、いま現在、原発が、放射能をまき散らして広範囲の陸地や海水を汚染しているという現実を深刻視していない。
といった印象が強い。

 この事故については3月15日の日記でも取り上げたが、
東電や経済産業省原子力安全・保安院の会見を拝見していると、「現在確認中」とか「対策を検討中」という「説明」や「回答」が目立つばかりで、先を見越したリスク対応がしっかりできているのか非常に気になる。現状に最善の対応をとるためには正確な現状把握が必要であることは言うまでも無いが、この種の事故は進行中であり、今後きわめて重大な事態が発生する恐れもありうる。起こりうる最悪事態に備えた対策をとることが求められていると思う。
という方向にはちっとも進んでいない。次々と明るみに出てくる深刻事態に対しても、「何が起こったか分からない」、「提案があれば検討する」程度であり、こんなことで原発を動かされたのではたまったものではないという気がする。

 専門的なことは全く分からないが、一般論として、安全対策というのは、1つの系統が故障しても、独立した別の系統でカバーできるように設計されているはず。ところが今回の事故は、安全装置がいわばAND結合のような形で1本に繋がれているだけで、どれか1つでも壊れると全体が機能しなくなってしまう。冷却のための放水では機動隊の放水車(←デモ鎮圧用?)まで駆り出されたようだが、本来、どこの建屋が水素爆発で破損してもすぐに放水が開始できるよう、独立したタンクや、建屋の高さに見合った放水塔を整備しておくべきものだと思う。

 9.11の同時多発テロが起こったあと、日本国内の原発に事故またはテロによりジェット機が墜落したら大規模な放射能汚染が起こるのではないかと囁かれたことがあった。それに対しては、原子炉本体はきわめて丈夫に造られていてジャンボ機が衝突してもびくともしないというような説明があったと記憶している。しかし、今回の事故を見ていると、いくら原子炉本体が丈夫でも、周辺の装置が破損すれば深刻な汚染が起こるのではないかと懸念される。最近では発展途上国でも原発の建設が計画されているようだが、政情不安からテロや内戦が勃発した時、原発の周辺装置が攻撃のターゲットにならないかどうか、それがきっかけで地球規模の放射能汚染が起こらないかどうか、懸念されるところだ。

 このほか、ロボット技術では世界一と言われる日本で、放水作業、内部探査などが人手なしで遂行できないというのはまことに情けない。




 ところで、3月14日から実施されている計画停電であるが、岡山でも意外な影響が出ていることに気づいた。その1つは、論文データベース検索などで利用している、国立情報学研究所のコンテンツサービスが時間帯によって利用できなくなってしまったころである。そもそもインターネットというのは、分散型の相互接続に特長があり、どこかの中枢が故障しても別のルートで機能を維持できるような仕組みになっていたはずだ。1企業の実施する計画停電でサーバーがダウンし情報検索機能が停止してしまうというのはまことに情けない。

 次回に続く。