じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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2011年版・岡山大学構内でお花見(12)菜の花と旧・事務局棟

3月23日(水)

【思ったこと】
_b0323(水)今回の大地震について思ったこと(11)原発事故:池上彰の学べるニュースと松本義久先生

 まず、この日記執筆時点までのNHKオンラインのニュース項目は以下の通り。
  • 原発 状態見て復旧作業再開へ
  • 第一原発周辺 風変わりやすい
  • 4基から水蒸気のようなもの
  • 東北道 通行規制が全面解除
  • 計画停電 24日は一部見送り
  • JR 24日の運行予定
  • 首都圏の私鉄 24日運行予定


 このほか、23日午後に行われた教授会で全員による30秒間の黙祷が行われた。ちなみに岡大では「東北関東大震災」ではなく、「東日本大震災」という呼称が一貫して用いられている。

 さて、夕食時にたまたま視た池上彰の学べるニュースで原発事故の話題を取り上げていた。上記のNHKオンライン項目にもあるように、原発事故関連のニュースは毎日のように伝えられているが、基本用語についてはよく分からないところがあった。番組では「放射線、放射性物質、放射能」の違いや、「シーベルト」と「グレイ」、「ベクレル」の違いなどが解説された。専門的なことは理解できなかったが、たとえ話で大体のことは納得できた。ちなみに、私が子どもの頃は、旧ソ連の核実験に関連して「キューリー」という単位をよく耳にしたが、これは1gのラジウムの放射能を表す単位(記号Ci)であり、
  • 1Ci=3.7×1010Bq=37GBq
  • 1Bq=2.7×10-11Ci
という関係にあるという。

 番組では、専門家お二人が登場し、池上さんの解説に訂正や補足をしていた。池上さんが、原発からの距離が遠くなると放射線を浴びる量は、距離の2乗に反比例して少なくなるというような図を示したところ、専門家の方から、それは線源からきわめて近い場所での話であって、今問題となっている「待避・退避指示」は放射性物質の飛散の影響を考慮したものであるとの訂正が入ったりしていた。

 専門家のお一人はこちらの先生だったと思う。松本義久先生は、他のテレビ番組にも連日出演され、放射性物質が検出された野菜、原乳、水道水などについて専門家の立場から安全性を主張されているが、うーむどうかなあ。問題の本質は、微量だから安全だというようなことではない。本来、原発事故が無ければ起こりえなかったはずの汚染が、広範囲で進んでいることが一番の問題。ごく微量であろうが大量であろうが、とにかく汚染は汚染であって、ゼッタイに許容できない事態である。犯罪で殺された人の数が交通事故の死者と比べてどんなに少なかったとしても、殺人犯罪を許容できないのと同様である。

 それと、この種のニュースでいつも疑問に思うのは、「検出」された量というのはあくまでサンプルの値であって、全数調査の平均値ではないということだ。実際に出荷された場合の野菜等の数値は、それより高い場合もあれば少ない場合もある。なので、サンプル数値をそのままかけ算して「1年間食べ続けても安全」とアピールするのはちょっと飛躍があるように思える。(水道水の場合は濃度が一定であると思われるので、サンプル採取しても、水道水全体を調べても結果はあまり変わらないとは思うが。)

 次回に続く。