じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



03月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る
§§ 東京都市大学・横浜キャンパスから横浜市営地下鉄の中川駅に戻る途中で見た街並み。ネットで検索したところ、この駅は計画人口30万人、わが国最大規模の土地区画整理事業としてスタートした港北ニュータウンの中にあり、その街並みは「ネオ・ロマンチック」と呼ばれ、ヨーロッパイメージの街をテーマにつくられているという。

3月06日(日)



【小さな話題】

NHK杯「羽生名人vs渡辺竜王」

 2月20日の日記にも記したように、日曜日午前中に放送されるNHK杯テレビ将棋トーナメントが面白い。この日は準決勝第1局

羽生善治NHK杯 vs 渡辺明竜王

が行われた。

 今回の放送で初めて知ったのだが、羽生名人と渡辺竜王の対戦成績は、この将棋の直前時点で羽生の12勝15敗であるという。羽生名人と言えば天下無敵、まさか、負け越している相手がいるとは思いも寄らなかった。また、最近アンテナ経由でリンクしている日本将棋連盟の記録によれば、3月4日時点で
  • 対局数ランキング:1位 渡辺55局、2位 羽生54局
  • 勝数ランキング:1位 羽生41勝、2位 渡辺36勝
  • 勝率ランキング:1位 佐藤天彦 0.780 32勝-9敗、2位 羽生 0.759 41勝13敗、19位 渡辺 0.655 36勝19敗
となっていて、対局数と勝数ではこのお二人がトップ争い、勝率は渡辺がやや悪いものの、これまた上位を占めていて、実質上、日本将棋界の最強者の戦いといっても良いくらいであった。

 この日の郷田真隆九段の解説は的確で明快であった。とくに、金の強さは一段目と二段目、二段目と三段目では格段に違うという解説が参考になった。本譜でも、羽生の一段目や二段目の金は最終的に精算され、一段目でも強さを発揮する銀が最後に打ち込まれていた。感想戦では羽生の▲7一馬に対する渡辺の△8四飛が疑問手とされたようだ。▲7一馬自体、一気に攻め寄れない羽生の苦肉の策のように思えたが、実際は、後手側のコマの配置をちょっとだけ変えさせる役割を果たしていた。これに限らず、プロの将棋では、歩をうまく活用して、相手のコマの配置を少しだけ変えさせる。このちょっとした違いが、最終的な必至の局面を作り出す。

 このほか、羽生の▲3九香は郷田九段も予想していたが、私のような素人にはなかなか思いつかない好手であった。

 さて、これで、決勝戦は羽生名人と、来週放送予定の、丸山忠久九段vs糸谷哲郎五段の勝者で戦われることが確定した。丸山九段も私の好きな棋士の一人ではあるが、できれば糸谷五段に勝ち進んでいただき、昨年の決勝の雪辱を果たしてもらいたいところである。

【思ったこと】
_b0306(日)日本環境心理学会第4回大会(2)環境リスクと防犯

 昨日の日記でも述べたように、この学会では、
  • 環境のリスク(安全性、防犯)
  • 環境の快適さ(評価、パブリックアート、植物)
  • 環境配慮行動(ゴミ分別、環境保護、里山保全活動など)
という3点が主要なテーマであるように見受けられた。

 このうち、地域の安全・防犯に関しては複数の口頭発表がありどれも興味深いものであったが、若干疑問に思ったのは、地域住民や子どもの親が「ここが危ない」と不安を感じた場所と、科学的・客観的に見て危険な場所とは異なっているはずで、本当に対策を取らなければならないのは後者ではないかという点であった。

 この場合の安全性には、事故の起こりやすさと犯罪発生の危険があり、その見積もりは大きく異なっている。前者については、例えば、柵の無いため池や側溝のように素人でもある程度経験的に危険を察知できる場所がある。いっぽう、犯罪の危険については、素人では全く予測がつかない。今月3日にも熊本市のスーパーのトイレで、3歳の女児が殺害され遺棄されるという事件が起こったばかりであるが、通常そのような場所で犯罪が起こるとは誰も予想ができない。このほか、一般的に、凶悪犯罪というのは、秋葉原の通り魔事件などでも見られるように、通常は比較的安全とされている場所で突然発生する。しかも、犯罪加害者になりそうな人に「どういう場所で犯行したいと思いますか?」と事前に調査するわけにはいかない。となると、結局は、特定の場所ではなく、あらゆる場所で、犯罪を起こりにくくするための種々の対策(例えば凶器を携行させない対策、危険な包丁類を入手できないようにする対策など)、あるいは万が一事件が起こった場合にも速やかに犯人を同定できるような対策(防犯カメラの整備、緊急連絡網整備など)で対応していくほかはないという気もした。

 

 次回に続く。