じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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§§ 3月3日早朝の月と金星。月齢は27.8。

3月03日(木)

【思ったこと】
_b0303(木)サステイナビリティ学連携研究機構(IR3S)公開シンポジウム(11)パネルディスカッション(2)「ワニの脳」、「馬の脳」、「ヒトの脳」

 他の話題を取り上げていたためにすっかり間が空いてしまったが、2月25日の続きとして、表記のパネルディスカッションについてメモと感想を記すことにしたい。

 第二部のパネル・ディスカッションでは、第二部から新たに登壇された、室山哲也・NHK解説委員による簡単な自己紹介があった。

 室山氏はさすが解説委員だけあって、論点をよくつかみ、分かりやすい喩えを挙げながらお話された。自己紹介の時のポイントは、
  1. 「わかっちゃいるけどやめられない」
  2. 「正確すぎると伝わらない。単純すぎるとウソになる」
であった。このうち1.に関しては、「人間の脳の中には3びきの動物がいる」という面白い喩えがあった。3匹とはすなわち、「ワニの脳」、「馬の脳」、「ヒトの脳」であり、この喩えは「ある脳科学者の言葉」ということであったが、出典については言及されなかった。おそらく、養老孟司先生あたりの言葉ではないかと推測される。この喩えの意味は、
  • ワニの脳:本能をつかさどる脳幹と大脳基底核
  • 馬の脳:感情をつかさどる大脳辺縁系
  • ヒトの脳:記憶・判断・意志をつかさどる大脳新皮質
ということにあるようだ。そして、今回のシンポに関連づければ、サスティナビリティの諸問題は、ヒトの脳、すなわち知性でコントロールしようとしてもうまくいかない。「馬の脳」と連動させて持続させることが必要であるというような趣旨であった。

 室山氏や脳科学者は、脳の三層構造を拠り所にして論を進めておられるようだが、行動分析学的に言えば要するに、

●「わかった」だけではダメ。行動を長続きさせるためには、その行動は強化され続けなければならない。

ということである。地球温暖化問題についていくら講演を拝聴して納得したとしても、それを日常場面に持ち帰って実践することはそう簡単ではない。個々の具体的な行動について、それが強化され、さらには全体としてうまく相互強化、複合強化されるような行動随伴性設計をしなければならない。「馬の脳」と連動させるというのは、けっきょく、個々の行動に好子や嫌子を随伴させることに他ならないのである。

 次回に続く。