じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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§§ NHKのローカル番組で、岡山県自然保護センターのスタッフの方が、冬芽や葉痕の形の面白さを解説しておられた。座主川沿いを歩いていた時にそのことを思い出してさっそく1枚。樹皮の特徴からセンダンではないかと思われる。

なお、ネットで検索したところ、冬芽と葉痕を楽しむという本格的なサイトが見つかった。

1月25日(火)



【小さな話題】

謎の人工天体目撃

 アストロアーツ打ち上げ成功、ISSに向かう「こうのとり」を肉眼で見ようという記事があったので、24日と25日の早朝に空を眺めながら散歩をしていたが、予報に一致する天体を目撃することはできなかった。但し、1月25日の06時きっかりに、北西から南西に向かう人工天体を目撃。何だったのかは不明。

 まず1月25日は、ベランダで05時20分すぎから南東の空を眺めていたがISSが出現せず、寒くなったので室内に戻った。しかしあとで調べたら、この日は岡山では05時20分頃には地平線から出現していたもののまだ地球の影の中にあって見られない。05時24分30秒になってから東南東、仰角47°のあたりにトツゼン出現すると予報されていたことに気づいた。室内に戻ったのは5時23分頃だったのでちょっとの差で見逃してしまった。

 翌日1月26日は05時51頃に北北西の空に出現し、05時53分30秒に北北東の空に消えるという予報だったのでそちらのほうを眺めながら散歩していたが、それらしき光点は目撃できなかった。

 ところが妙善寺の鐘がなり始めた06時ちょうどに、北西の空、北斗七星のひしゃくの下あたりに明るい光点が出現。これこそISSだと思いきや、なんと、北東ではなく南西方向に移動し、じきに光を失った。なんとなく、その光点の左下にも小さな点があるように見えた。明るさは1〜2等星前後。イリジウムの予報をチェックしたが、該当する衛星は見当たらなかった。あのレベルの明るさの天体としては、ISSかイリジウム以外にはないと思うのだが、いったい何だったのだろう。

【思ったこと】
_b0125(火)行動主義の再構成(3)行動と環境の依存関係

 昨日の日記で、
...もっとも、「行動と直後の変化」という時間的前後関係は必ずしも明確ではない場合がある。例えば、「山登り」という行動は、単に「登頂」という結果だけで強化されるわけではない。ピークハントだけを目的とする人を除けば、通常、山登りの途中の眺望や登山道周辺の植物なども登山行動をささえる主要な好子(正の強化子)となっている。しかし、これは、山登り行動と一体化しながら随伴していくものであって、何歩歩いたらその直後に結果というような時間関係にあるわけではない。同じコトは、ジョギングやウォーキングを楽しむ場合についても言える。周囲の景色は、行動の直後ではなく、行動と同時に、並行的に出現しているのである。
と述べた。そこで私が言いたかったのは、「1回ごとの反応と直後の変化」という「局所的な随伴性」は必ずしも重要ではなく、もう少しマクロで見た時の「依存関係」、つまり、何が独立していて何がそれに依存しているのかという点が見極めることが重要という点である。但し、その際、
  1. 強化や弱化はあくまで、個体の側から環境に接するという視点で記述されなければならない。
  2. 依存関係は、物理的な因果関係と同一ではない。人為的に付加される変化を含む概念である。
  3. 「行動→直後の変化」という随伴関係は、依存関係の一部をなすものであるが、同一ではない。
という点に留意する必要がある。

 依存関係と随伴関係については、こちらの論文の脚注5のところで簡単に考察している。そのさいには
「随伴性」が使われ始めた当初は、「依存性(dependency)」との区別をめぐって誤解があったようだ。Reynolds は、 『A primer of operant conditioning』という入門書(Reynolds, 1975)の中で、この違いを詳細に説明している。要するに、依存性とは、何らかの物理的因果性に基づく「行動と環境事象との関係」。いっぽう、随伴性では、そのような因果性を一切前提ではなく、偶発的な継起を含めた概念である。
と述べたが、ここでは、議論の必要上、因果関係と依存関係を厳密に区別し、前者はあくまで、「自然科学の法則としての原因と結果の関係」(但し、人間が自然界を秩序づけて理解する際のツールとしての関係と見なすことは否定しない)、後者は、必然性は無いが、社会的関係の中で人為的に付加される結果を含むものとして捉えることとしたい。例えば、アルバイトをした時に給料を貰うという関係は、社会的契約に基づく依存関係ではあるが因果関係ではない。

 ここでいう依存性とは、要するに、何が独立していて、何がそれに依存しているのかという関係である。低気圧が近づいて雨が降りそうになると、カエルが鳴き出し、湿度計の針が上がる。この場合、低気圧の接近は独立事象であり、カエルや湿度計の変化は依存事象である。その証拠に、カエルを無理やり鳴かせたり湿度計の針を勝手に押し上げたからといって雨を降らせることはできない。

 レスポンデント行動づけとオペラント行動は、けっきょくのところ、環境と個体のどちらが独立してい、どちらが依存しているのかという関係で区別できる。前者の場合は、独立しているのは環境のほうである。環境の変化に依存して、個体が特定の行動を生起させるのがレスポンデント行動である。いっぽう、後者の場合は、行動のほうが独立していて、その生起に依存して環境側が変化するのである。但し、上記の留意点1.に述べたように、その際には、個体の側から環境に接するという視点が必要である。例えば、山に登って高山植物を楽しむという場合、独立事象は「山に登る」という行動であり、「高山植物」はその行動に依存して出現した環境事象ということになる。しかし、その変化はあくまで、行動している個体自身の視点からとらえたものである。登山者がやってこようが来るまいが、高山植物自体は何も影響を受けない。

 もう1つ、上記の留意点3.であるが、「行動→直後の変化」という直接効果的な随伴関係がきわめて強力であり、行動改善のツールとして有用であることは間違いない。しかし人間のように種々の契約関係が成り立ち、かつ、行動が中長期的に持続するような場合には、必ずしも行動の直後に結果が伴わなくても良いケースがあり、むしろそのほうが遙かに多い。「アルバイトをした時に給料を貰う」という「アルバイト→給料」の随伴関係の事例において、仮に、給料を前払いしてからアルバイトしてもらったとしても、それが一定期間持続する依存関係にある限りにおいては、何ら違いは見られない。もちろん、人間以外の動物相手の場合は、最初に餌を与えてから芸をさせるというのは困難ではあるが,,,。

不定期で次回に続く。