じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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§§  サッカーのワールドカップ(W杯)南アフリカ大会は最終日の11日(日本時間12日朝)、ヨハネスブルクのサッカーシティ競技場で決勝があり、スペインがオランダを延長戦の末1-0で降し初優勝を果たした。

 写真は今年の4月2日、旅行の途中で撮影した同競技場。この時点ではまだ拡張工事中であった。この競技場の名称については、ウィキペディアの当該項目に詳しい解説があった。開場当初から南アフリカの金融機関であるファースト・ナショナル・バンク(FNB)が命名権を保有しているが、以下の理由で、「サッカーシティー競技場」と呼ばれているようだ。
2010年開催のFIFAワールドカップでは決勝戦の会場になるが、FIFAの規定により、照明設備付屋根を設置した。また、大会中はFIFAスポンサーおよび大会サプライヤー以外の企業名は排除される。命名権を保有するFNBも大会スポンサーであるが、スポンサー権利範囲が南アフリカ国内に限定されている種別での契約であるため、大会中は名称を一時的に「サッカー・シティ・スタジアム」に変更される。


 12日の朝、NHKの教育テレビで、試合終了後にライトアップされた競技場から花火が打ち上げられている様子が生中継されていた。たまたま写真上に写っていた男性も、同じ場所から花火を眺めていたかもしれない。

※撮影した4月2日当日は雨模様であったため、窓ガラスに水滴がついていた。


7月11日(日)

【思ったこと】
_a0711(日)[心理]サッカーの話題(2)占いタコのパウルくんその後

 7月12日(月)の朝5時台は、NHK総合では参議院選速報、NHK教育ではワールドカップ決勝戦の生中継が同時に放送されていた。参議院選速報のほうはすでに最終結果が出ているのに同じような内容が繰り返し放送されていて新鮮味を欠くため退屈し、これまで殆ど関心が無かったサッカー中継のほうにチャンネルを変えてみた。

 サッカー中継での最大の関心事は、占いタコのパウルくんの予想が当たるかどうかということであったが、見事的中。前日の3位決定戦でドイツ勝利を予想したことで今大会のドイツ代表の7戦すべてで結果を当て的中率100%を守ってきたが、とうとう、最後の決勝戦でのスペイン勝利を的中させるという世紀の大偉業を成し遂げた。

 いまやその注目度は最大レベルとなっており、Googleで「タコ」を検索すると、パウルくんがトップに挙がるほどである。

 改めてウィキペディアで当該項目を閲覧したところ、
  • パウルはイギリス南部ウェイマスのシー・ライフ・センターで卵から孵化した。現在はドイツのオーバーハウゼンにある水族館シー・ライフで飼育されている。
  • パウルの名前はドイツの児童作家ボーイ・ロルンゼンの作品『タコ(イカ)のパウル』からとられた。
  • ドイツ語の「au」は、日本人には「アウ」よりも「アオ」という発音に近く聞こえるため、日本の日本放送協会 (NHK) ではパオルと表記している。
  • サッカードイツ代表の国際試合の前に、パウルにはカラスガイやカキなどの餌が入ったプラスチック製の2つの容器が与えられる。一方にはドイツの国旗が、もう一方には対戦相手の国旗が付けられている(両方ともナショナルチームの旗)。そしてパウルが餌をとるためにどちらかの容器を開け、先に開けられた容器の国が勝利する、と解釈される。
  • パウルの予言はユーロ2008では80%以上、W杯南アフリカ大会では100%的中させ、国際的な名声を得つつある。
  • 動物愛護団体の動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)は2010年7月2日に「パウルを自由にすることを望む」との声明を発表した。しかし、パウルの種族の平均寿命は2年(日本人でいえば82歳)であり、パウルは既に2歳半(日本人でいえば100歳)であることから、水族館はパウルを野生に帰すことは動物愛護の精神に反するとして今後も飼育すると発表している。
 7月9日の日記にも記したが、このタコは、黄色と赤が目立つ色柄、また何となく餌を連想させるような模様の入った国旗を好むようである。ウィキペディアの予想とその結果リストを見ると、パウルくんが選んだ国旗は、
  1. デフォルトではドイツの国旗を選ぶ。
  2. セルビアの国旗と同時提示された時は、ドイツではなくセルビアの国旗を選ぶ。(予想的中)
  3. スペインの国旗と同時提示された時は、五分五分で選ぶ。(予想五分五分)
  4. オランダとスペインの国旗が同時提示された時は、スペインの国旗を選ぶ。(予想的中)。
という傾向があるようだ。

 ではなぜ、高い的中率を誇っているのか。

 最大の理由として、サッカーではもともとドイツが強く、「ドイツ勝利」と予想すると的中率が高くなるという点が挙げられる。それゆえ、EURO2008でドイツが負けた2試合(対クロアチア、スペイン)はいずれも予想が外れてしまった。

 興味深い点は、ドイツとスペインが同時提示された時、EURO2008ではドイツを選び(予想外れ)、今回のワールドカップではスペインの国旗を選んだ(予想的中)という点である。これは、選好の確率がほぼ五分五分である可能性を示唆しているが、今回のワールドカップのほうで敢えてスペインを選んだコトは大いに評価できる(←何の評価や?)。

 もう1点、前回の日記では
国旗の色を比較すると、相手国の国旗で黄色と赤が目立つ色柄となっているのは、ドイツが負けたスペインのみであった。
と書いたが、じつは、ガーナの国旗も、赤と黄色が目立っていることに後になってから気づいた。ガーナとドイツの国旗が同時提示された時になぜドイツの国旗を選んだのかについては、「赤と黄色を好む」という色彩説や、「タコの餌に似た模様が入っている国旗を好む」という模様説では必ずしも説明できない。強いてこじつければ、ガーナの国旗の中央には黒い星が描かれているが、タコにはこれが大形のヒトデのように見えて敬遠されたという可能性がある。もっとも、自然の世界で、タコとヒトデがどのような関係になるのかはよく分からなかった。




 ネットでは「タコ」のニュースが続々と発信されているようだが、中には明らかにこじつけ、過大解釈と思われるものもある。例えば、 MSN産経(2010.7.12 06:36発信)では
確率で言えば256分の1。..これまでパウルの勝敗予想には70分かかった例もあったが、10日に欧州中でテレビ生中継された決勝戦の予想は、わずか3分でスペインを選択。水族館関係者も「スペインの圧勝を予期させる」と話していた。
とあるが、「確率256分の1」を言うためには、それぞれの勝敗が独立事象であり、かつそれぞれのチームの勝率が1/2でなければならないので、今回の確率計算には適用できない()。また、「スペインの圧勝」という部分は、「延長戦で1-0の勝利」という試合展開とは全く一致していない。
]例えば横綱が15戦全勝する確率は1/2の15乗ではない。体調を崩している力士が15戦全敗する場合の確率も同様。但し、パウルくんの予想が当たることは国旗の色や模様である程度説明できるものの、そういう色柄、絵柄の国旗の国がなぜ勝利しやすかったのかということの説明には一切ならない。後者の疑問は偶然としか言いようがないが、予想対象がもともと強いドイツに関連していたことは的中率アップの一因と言えるだろう。もし、ドイツを含まないあらゆる国の対戦を予想させれば、的中率は大幅に下がるはずだ。


 不定期ながら次回に続く。