じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



6月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る
§§
2010年版・岡山大学構内でお花見(55)ホタルブクロ

 時計台前の広場に10数年以上前からずっと生えているが、最近、白花が目立ってきたような気がする。昨年の写真が2009年6月1日の楽天版にあり。


6月2日(水)

【思ったこと】
_a0602(水)[心理]2010年 人間・植物関係学会 10周年記念大会(9)大会2日目(3)松尾・前会長による講演(2)

 昨日の日記で人間と植物との「かかわり」について取り上げた。松尾氏は、この「かかわり」の変遷を、有史以前、古代、現在、今後、という区分で捉えておられた。これらは、「猟る」と「育てる」の大きさと比率で示されるが、現代のほうがどちらの面でも大きくなり、かつ「育てる」の比率が高まってきたと言うことができる。

 松尾氏によれば、「猟る」と「(生き物を)育てる」のうち、前者は「手に入れる」という形の個体保持、後者は「子どもをそだてる」という形の種族維持に対応している。これらは本能的(動物的)な行動であるが、ヒトから人間へと進化していくなかで、本能的な行動は創造的(人間的)な行動としての「猟る(狩る+造る)」、「育てる」へと発展した。これらをあわせもちバランスを保つことが肝要である。

 松尾氏はさらに、「猟る」と「育てる」という行動の特徴を比較しておられた。前者は、主体的・意図的、一時的、手っ取り早いというような特徴があるのに対して、後者は客観的・支援的、長期的、忍耐といった特徴をもつ。また、仕事としては前者は断片的・分業的、後者は一体的・総合的という特徴をもつ。

 上述の松尾氏による比較は、行動随伴性の違いという別の視点からさらに深化させることもできるのではないかと思う。但し、動物の狩りが直後強化的であるのに対して、植物を対象とした「採る」は、季節の変化にも依存しており、長期的な要素をかなり含むのではないかとも思えた。

 人間と植物との「かかわり」で忘れてはならないのは、植物は人間無しでも生きられるが、人間は植物無しでは生きられないということであり、ここから人間・植物関係学会のモットーでもある、

"No Plant No Life”

が出てくるということであった。

次回に続く。