じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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2010年版・岡山大学構内でお花見(45)もう1つのイギリス式庭園



 昨日に続いて文学部周辺にあるイギリス式庭園の写真。昨日と異なり、こちらにはチェリーセージがある。他には、オステオスぺルマム、アヤメ、コモンセージなど。



5月11日(火)

【思ったこと】
_a0511(火)[心理]歴史文化遺産より自然景観を好むわたし

 5月22日〜23日に、2010年 人間・植物関係学会 10周年記念大会が開催される。今回は10周年記念大会ということで、会場は春日大社となっており、花山院弘匡氏(春日大社宮司)、細谷亮太氏(聖路加国際病院小児科部長・副院長)、柳田邦男氏(ノンフィクション作家・評論家)らによる基調講演も予定されており大変楽しみである。

 ところで、私には、この奈良という場所は殆ど縁が無い。大会2日目午後に萬葉植物園の散策が予定されているが、そういえば、あそこを最後に訪れたのは結婚式を挙げた日のことであり、いまから27年も前のことであった。大学入学以来、長年にわたって京都に住んでいたが、奈良まで出かけたのは数回程度ではなかったかと思う。

 このことでふと思ったが、私は、中学生の頃から一貫して、歴史文化遺産には殆ど関心がなく、もっぱら自然風景を好む傾向があった。中学や高校の修学旅行の時に奈良と京都を訪れたが、奈良のお寺参りは退屈で仕方がなかった。反面、京都のほうは、枯山水の庭園がたくさんあって、その時の感動が、京都の大学に行こうと考えた1つの動機にもなっていた。

 その後、海外旅行に何度も出かけているが、遺跡や建築物のたぐいには殆ど興味が持てず、特に博物館巡りなどは時間の無駄にしか思えなかった。中国シルクロードエジプトの世界遺産はさすがにスゴイとは思ったが、これも、歴史的価値に感動したというよりも、大自然と一体化した風景自体に感動したというところがある。

 私が歴史文化遺産にあまり関心を持てないのはおそらく、当時の人々の気持ちを理解し、それに共感するということができないためではないかと思う。少々乱暴な言い方になるが、ガイドさんから「何千年前に、ここで人々が暮らしていました」と言われても、「あっそう、勝手にすれば」という気持ちしか起こってこない。

 そういえば、先日視た「私の1冊、日本の100冊」の集中再放送の中で、

須賀敦子『地図のない道』ザッテレの河岸で

の一節が紹介されていた(5月7日の日記参照)。しかし、私自身がどこかの古い道を歩いたとしても、おそらくああいう気持ちは起こってこないに違いない。生まれ育った街並みや、それによく似た昭和30年代風の景観ならともかく、過去の他者の気持ちにまで思いを巡らせそれに現在の自分自身を重ね合わせるというようなことは、私にはできっこない。

 元の話題に戻るが、奈良で私が興味を持てるのはおそらく、春日大社のスケールの大きな景観、萬葉植物園の植物たち、それに奈良公園のシカの行動ぐらいのものではないかと思う。こういってはなんだが、いま話題の平城宮跡などには、別段、立ち寄ってみたいとも思わないなあ。