じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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2010年版・岡山大学構内でお花見(42)ナガミヒナゲシのお花畑

 定点観察の対象の1つ、一般教育棟構内(野球グラウンドの北西側の空き地)のナガミヒナゲシ。規模や開花時期は昨年とほぼ同様。


5月1日(土)



【小さな話題】

今年のGW

 今年のGWは、休日の並び具合がよく長期休暇がとりやすいなどと言われているようだが、私の場合は、4月29日(木)の祝日のあと、4月30日(金)が平常授業日となったため、実際の休みは、5月1日(土)から5日(水)までの5日間のみとなった。

 5日間は、妻の実家のある北九州で過ごす予定であるが、行楽地に行く予定は全くない。5日間とも好天が続くという予報だったので、5月1日午前はもっぱら、鉢物と花壇の水やりで半日を費やした。快晴の日が続いたとしても、この時期の気温であれば乾きすぎて枯れることはないと思う。

 北九州までは渋滞・事故の危険を避けて、岡山道→中国道経由を利用した。広島以西、山口まではがら空き、それ以外は普段よりかなりの数の車があったが、渋滞でスピード低下ということは一度も無かった。

【思ったこと】
_a0501(土)[TV]爆笑問題「羽生名人」

 GWの最中は、妻の実家に籠もって、ため込んだDVDをできるだけ観ようと思っている。

 最初に観たのは、4月27日放送の、NHKの

爆笑問題のニッポンの教養:NHKFILE108:羽生善治(将棋)「本当の強さって何?」

であった。

 参考になったのは、まず、人間とコンピュータの思考の違い。将棋の手は有限だが、実際には10の220乗の可能性があるため限りなく無限に近い。コンピュータは現在アマチュアのトップクラスの強さがあるそうだが、
  • 人間は強くなればなるほどたくさんのこと考えなくなる。余計なことはすべて排除して考えないようにする。→「省く(羽生く)力」
  • コンピュータはどんどん計算量を増やして場合を尽くそうとする。
という点で根本的な違いがあるという。羽生さんは晩年の大山康晴十五世名人と対局した経験をお持ちだというが、大山名人も、そんなに考えているようには見えなかったという。ちなみにネットで調べた限りでは、公式戦での羽生vs大山は羽生の6勝3敗、番組では羽生さんは「勝ったり負けたり。孫みたいな年齢差のあるこんな小さい子を負かすのは大人げないという気持ちもあったのでは」と謙遜しておられた。




 次に参考になったのは「オリジナリティ」について。もっともこれは太田さんの
「個性をどうやって持てばよいか分からない」と言う若者がいるが、じつは殆どは定跡でみんなと同じ。ほんの瞬間に混沌でどう打つか、そこに現れるのが個性の本筋。
というような発言に羽生さんが同意されたようなところもあった。




 羽生さんがなぜ強いかについては、太田さんは「優しさ。【相手の戦法を】受け入れる。」というようなことを言っておられた。太田さんが、料理の素材としての大根について、その年の甘さ・辛さによって料理法を変えるという例を挙げておられたが、羽生さんも「情報や知識は食材と同じ。」と同意しておられた。私もこれは同感である。


 将棋と戦争の違いについて羽生さんは、将棋はぜんぶ公開されているという点を強調しておられた。秘密基地も秘密兵器もない。確かにこのあたりは違う。




 番組の終わりのほうでは、太田さんが「34年将棋をやり続けていて、自分の漫才でもそういう気持ちがあるが、こんな仕事は別に無くてもいい、素人から見れば将棋は遊びだが、本当にこれでいいのかと思うことはないか」というような質問をされた。これは私もぜひお訊きしたかったことだ。羽生さんはそれに対して、一日中将棋のことを考えていて、本当にこんなふうに過ごしていていいのか、こんなことしていたらあっという間に人生が終わっちゃうと思うことはあるとか。しかしその反面、将棋にはまだまだ見つかっていない未知のものがあるとか、また自分の表現の余地がある、とも言っておられた。

 羽生さんがもし数学者になったら、リーマン予想のような難問を20歳代で解いてしまったのではないかという気持ちは私もあるが、数学という学問と将棋の思考世界は同等であって、どちらが優先されるべきというわけではない。数学が学問であって将棋が趣味・娯楽に分類されるのは、プロセスの違いではなく、その成果の一般化可能性や普遍性に違いがあるからに過ぎない。