じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 2月16日の日記で、新幹線などから見えるはずの「岡山大学」という電光看板が、「冂山大学」になっているという写真を掲載したが、2月下旬にそのことを某筋に伝えたところ、その日のうちに「岡山大学」が復活した。もしかして、私が連絡したおかげで点灯したのだろうか。



3月2日(火)

【思ったこと】
_a0302(火)[一般]バンクーバーオリンピックの感想

 バンクーバー冬季オリンピックの閉会式が3月28日17時半(日本時間3月1日午前10時半)から市中心部のドーム施設、BCプレースで行われ、17日間の祭典が無事に終了した。

 スポーツ競技にはもともと関心の低い私であるが、毎朝5時頃に起床してテレビのスイッチを入れると現地からの生中継(現地では前日の正午)が行われていることが多く、朝の時間帯に行われた競技に関してはよく観たほうではないかと思う。このことで思ったが、現地で正午以降に行われる競技は、日本ではちょうど早朝から15時頃までとなる。日本の視聴者にとっては、徹夜や夜更かしせずに観戦することができ、注目を浴びやすかったのではないかと思う。以下、備忘録を兼ねて、印象に残ったことをいくつか。
  • 開会式
     ちょうど妻の実家に居たので、高画質の薄型テレビでその一部を拝見することができた。各種報道によれば、聖火の点火のさいに聖火台を支える4本の柱のうち1本が作動しないミスがあったそうだが、その瞬間を観ることはできなかった。
    聖火台の形が漢字の「火」そっくりに見えたので、さっそくネットで検索したところ、同じような印象をもつ人が多数いることが分かった。しかし、デザイン自体が漢字に由来したものかどうかは確認できなかった。

  • 女子スピードスケート
     フィギュアほど騒がれなかったが、小平奈緒選手が、1000mと1500mの両方で5位に入賞したというのはスゴイことだと思った。15歳の高木美帆選手の今後の活躍も期待される。

  • 男子スピードスケート
     500mで、長島圭一郎選手が銀メダル、加藤条治選手が銅メダルを獲得した。ネットの記録を見て改めて気づいたが、この種目は2回の合計タイムで競うようだ。他の1000、1500、5000、10000mはそれぞれ1回だけなのに、なぜ500mだけ2回なのだろうか?と疑問に思ったが、ウィキペディアに、「1周回しかない500mでは、インスタート・アウトスタートの有利不利を是正するため、コースを入れ替えて2度のレースを行い、その合計タイムで順位を決定する」という説明があり納得できた。しかし、インとアウトの公平性を保つことを目的とするのであれば、チームパシュートのように、トラックの対角線上の両サイドから同時にインコースからスタートし、1回勝負で決着をつけるという方法もあるように思った。ま、どの競技でもそうだが、何回かトライして一番よい記録で比較する場合には一発勝負屋が有利、何回かの合計で争う場合には、安定性がモノをいう。スキーのジャンプでは、日本選手は、一発勝負では好記録を出したが、2回の合計での安定性を発揮することができなかった。

  • 男女フィギュアスケート
     日本国内では最も注目を浴びた競技であったようだ。各種報道によれば、
    • フィギュア女子フリー(NHK総合) 平均視聴率(関東)36.3%(関西)33.9%、瞬間最高視聴率(関東)46.2%、(関西)46.3%
    • フィギュア男子フリー(日本テレビ) 最高視聴率27.2% 平均視聴率(関東) 16.3%
    • 開会式(NHK総合):(関東)平均視聴率25.4%
    • 閉会式(NHK総合):(関東)10.7%、(関西)7.3%
    などと報じられており(女子のチームパシュートの視聴率は未確認)、その関心の高さがうかがえる。もっとも、私自身は生中継は全く拝見しなかった。仕事が忙しかったということもあるが、「失敗したら大変だとヒヤヒヤしながら観るようなスポーツは精神衛生上よろしくないので、生中継は敬遠」という気持ちもあった。同じスポーツでも、マラソンや駅伝のようにジワジワと競い合うほうが好みだ。

  • カーリング女子
     予選の試合数が多く、1回の試合時間が長いこともあって、何度か観戦した。ルールもだいたい理解できた。この競技の魅力はなんといっても「真剣な眼差し」にある。こう言ってはなんだが、マラソンや駅伝の選手の中には、鼻の穴を大きく開けてスゴイ形相で走る人がいる。もちろんそれはそれで精一杯頑張っている姿であるとは思うが、写真に撮って部屋に飾っておくような表情とは言い難い。その点、カーリングの選手がストーンを投げる前のまなざしは、狩猟民族が獲物に狙いを定める時の眼差しに似ている。現代社会ではこういう眼差しに出合う機会が非常に少ないので、その分魅力的である。
     なお、カーリングでは、ブラシで氷面を掃くというプレイがあり、なんでも「滑っていくストーンの方向や速度を調整する」という効果があるらしい。しかし、観ている分にはなんだか目障りで、実際の中継でも「最高の掃きっぷりでした」などと解説されることはない。このさい、ブラシ掃きは無しにして、ボウリングのように「投げる」という行為だけで得点を争ったほうが面白いようにも思える。この場合、個人競技でもよいのではないかと思う。

  • スケート女子パシュート
     こういう競技があることは今回のオリンピックで初めて知った。興味深いと思ったのは、3選手のタイムの合計ではなくて、「相手を追い抜くか、先に最後尾の選手がゴールした方が勝ち。空気抵抗での体力消耗を最小限で抑えるために交互に先頭を入れ替えながら滑る。"というルールになっていることだ。要するに、どんなに実力のある選手を揃えてもそれだけでは勝てない。他の選手ができるだけ速く滑れるように、先頭で空気抵抗を受けるという役目も果たさなければならない。秀でた選手が居れば優勝しやすくなる駅伝競走とは違う。これほどチームワークが要求されるスピート競技は滅多にないと思う。
     このほか面白いと思ったのは、決勝戦のあとで行われた日本選手3人へのインタビューであった。ある選手は「スケートをやっていて良かった」と回顧型の感想を述べ、ある選手は「直後は悔しかったが、しだいに喜びが」とポジティブな受け止め方をし、また、もう一人の選手は「この借りは返す」とスゴミをきかせた。もっとも、翌日になってからの正式か会見では、3人ともかなり「お行儀のよい」語りになってしまった。他の競技でもそうだが、選手各位が勝負が決まった直後にもらすホンネと、しばらく時間が経ってから模範生的に語る内容とは相当のギャップがあることが多い。いや、どちらが真実というわけでもなくて、誰もが、「直後の感想=野性的、個人主義的」、「しばらく時間が経ってからの言葉=模範的、集団主義的」という2面性を持つことの表れのようなものであるかもしれない。心理学の面接調査でも同じような傾向が見られると思う。


 ということで、大まかな感想は終わり。感動を与えてくれたすべての選手各位に感謝!