じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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§§ 今年はネコ年(5)気性の荒い母ネコ

 昨日と一昨日の日記で紹介した三毛と茶ブチの母親にあたるネコ。撮影記録によれば、最初に目撃したのは2007年10月1日。その後、ファミリーを従えてたびたび出現していたが、2008年の年末をもって姿を消した。

 このネコの特徴はなんといっても気性が荒いこと。近づくと、フーッとうなりながら威嚇してくる。カメラや靴底に向けてネコパンチをくらわすこともあった。



1月5日(火)



【小さな話題】

「箱根駅伝は山登り偏重」という暴論

 正月の2日と3日に行われた箱根駅伝では山登り5区での東洋大・柏原選手の2年連続の健闘が印象に残ったが、このことに関して、「山上りに偏重しすぎと疑問の声も出ている」と聞いた。

 私自身は、山登り偏重であるとは全く思っていないが、そのことに加えて、「山上りに偏重しすぎと疑問の声も出ている」という報道自体にも問題があるように感じた。

 そもそも、どこの誰が、「山上りに偏重しすぎ」との疑問の声を発したのだろうか。Yahooのネット配信記事(スポニチアネックス)では、
  • 関東学生陸上連盟の青葉昌幸会長は、東洋大が連覇した箱根駅伝について「山上りの1区間だけで(勝負が)決まるのは寂しい。本来は10区間の総合力で戦うのが駅伝。柏原君を超える選手が出てきてほしい」と総括し、各校に奮起を促した。
  • 5区は06年に2・5キロ距離が延びてから5年連続で逆転劇が起き、総合優勝をも左右。「1〜4区はもういらないんじゃないの」(瀬古利彦氏)など“山上り偏重”には疑問の声も出ているが、...
と報じられているが、記されている限りでは、青葉会長の発言は「各校に奮起を促す」という趣旨であって「山登り偏重」を問題視しているわけではない。また、瀬古利彦氏の「1〜4区はもういらないんじゃないの」発言も産経ニュースでは「冗談めかして」という但し書きがついている。もう1つ、産経ニュースでは「かつて花の2区で沸かせた早大の渡辺康幸監督は「山を爆走したチームがほぼ優勝」とエース区間の意義低下を嘆き」という記述もあるが、これも必ずしも「山登り偏重」を主張したものとは言い難い。産経ニュースでは「2006年大会から4区を短縮、5区を2・5キロ延ばした変更以降、5区で逆転しての往路優勝は5年連続。関東学連関係者から「距離を戻さない限り、山上りで勝負が決まる流れは止まらない」との意見も出ている。」としめくくっているが、であるならば、「関東学連関係者」を実名で挙げて、責任ある発言として紹介するべきであろう。

 私自身は、箱根駅伝が山登り偏重であるとは全く思わない。

 まず第一に、駅伝というのは、各区間の選手すべての努力の総和によって勝ち取られるものであって、一個人の奮闘で優勝が決まるようなものでは決してない。今回の東洋大の優勝においても、柏原選手の激走が貢献したことには疑問の余地が無いとしても、他区間の選手がブレーキに陥ることなく、標準以上の走りを遂行できなかったとしたら決して優勝にはつながらなかった。柏原選手のほかにも、日大のダニエル選手のような「ごぼう抜き」の超人は他にもいたが、やはり最後はチームの総合力がモノを言う。駅伝当日に区間記録を出せた選手は称賛に値するけれども、日々の練習の中で、「出場チームの中では平均レベル」というスピードの走りを、50%の確率から99%の確率に高めるように努力した選手もこれまた同等に称賛するべきである。

 第二に、誰かが強いからルールを変えようというような、「結果に基づく変更」は公平とは言えないと思う。国際的な競技でも、日本選手が金メダルをとると、ヨーロッパのほうからルールを変えようなどという動きが出てくることがたまにあるようだが、あまり気持ちのよいものではない。もし区間変更をするというのであれば、勝敗結果とは独立した、それなりの論拠が必要。

 なお、このことに関連しては、Yahooの意識調査(←実際は、調査ではなくて投票)も行われているようだが(投票は1月14日まで)、質問のしかたは、「偏重」意見を誘導しているようにも見える:
箱根駅伝の5区は、2006年に2.5キロ距離が延びてから5年連続で逆転劇が起き、総合優勝をも左右することから「山上り偏重」との声もあるよう。あなたは、「山上り偏重」を感じる?
投票を公正に行うのであれば、「偏重」論の主張だけでなく、「偏重してない」という意見の論拠も同時に紹介した上で賛否を問うべきであろう。もっとも、1月6日朝の時点では、57594票中、「偏重を感じない」が39381票(69%)、「偏重を感じる」が16301票(29%)となっていて、「偏重を感じない」ほうが圧倒的多数を占めていた。