じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 文法経のボイラー棟の煙突(ボイラー設備自体は、相当昔に撤去)の解体工事が開始された。煙突上部にヒビ割れがあり、このまま放置すると崩落などの危険があると判断されたようである。10月20日の朝から煙突の周りに足場が組まれ、夕刻にはてっぺんまで到達した。この風景を見て思い出したのが駒沢公園・「オリンピック記念塔」である。もっとも、厳密に言うと、1964年の東京オリンピック当時は、私自身はこの塔を間近に見たことは一度もなかった。この塔を毎日目にするようになったのは、この公園内を歩いて中学に通うようになってからのことである。



10月20日(火)

【ちょっと思ったこと】

オリオン座のベテルギウス

 オリオン座流星群のことが話題となっている。天文年鑑によれば10月21日が極大にあたるということで21日の真夜中に数回外を眺めてみたが、残念ながら流れ星は1つも目撃することができなかった(流星群の情報についてはアストロアーツのニュースにあり)。流れ星は見えなかったが、ベテルギウスとリゲルを頂点として構成される四角形の中には、三つ星と小三つ星のほか15個ほどの恒星を肉眼でとらえることができた。このところますます老眼が進行している私であるが、遠くにある星の見え方はかなりの感度と解像度を保っているようだ。

 ところで、このベテルギウスであるが、以前よりかなり明るくなっているような印象がある。ウィキペディアの当該項目にあるように、この星は5.8年周期で0.0等〜1.3等の間を変光することが知られている。同じオリオン座のβ星リゲルの明るさは0.12等であるが、私の肉眼による観察が間違ってなければ、現在のベテルギウスはリゲルと同じか、少し明るくなっているように見える。

 ざっとネットで検索したが、最新の光度曲線を公開しているサイトが見つからなかった。ベテルギウスは2007年頃には相当に減光しており、あのときはリゲルよりかなり暗く、周囲の2等星と同じくらいの明るさに見えたこともあった(2006年10月9日の日記に関連記事があるが、このときはまだ減光は顕著ではなかった)。

 さて、最近のベテルギウスに関していちばん気になるのは、ベテルギウスの大きさが過去15年間で15%以上も縮小しているという今年6月頃のニュースである。同記事にもあるように、ベテルギウスは赤色超巨星で、その直径は太陽から木星軌道にまで及ぶ長さになるとされているが、1993年以降の15年間で太陽から金星軌道までに相当する距離が縮小しているというから相当なものだ。しかもその縮小は加速的であり、ひょっとすると超新星爆発の前兆ではないかとまで言われている。仮に私が生きている間に爆発した場合(←正確に言えば、ベテルギウスはすでに爆発していて、その光やガンマ線が地球まで届く時期が近い将来であった場合)、地球で想定される現象は以下の通りであると言われている(ウィキペディアからの要約引用)。
  • 地球から距離が離れすぎているためにガンマ線の威力は弱まり(地球からは640光年も離れている)、オゾン層が多少傷つく程度で惑星および生命体への影響はほとんどない。
  • 超新星爆発の際のガンマ線放出については近年では指向性があることが指摘されており、偶然地球方向を向いて爆発した際の地球への影響は未知数である。
  • 爆発時の明るさはほぼ満月と同じであり、それが点光源で輝く。
  • その後は中性子星またはブラックホールへと進化する。
 地球の生命体への悪影響が気になるところではあるが、こんなスゴイ天体現象をこの目で眺めることができたらと、ひそかに期待してみたりする。