じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 昼間のように明るい、岡大・南北通り。

 8月5日21時過ぎの岡大・南北通り。この日は、近くの桃太郎スタジアムで、地元サッカーチームの「1万人チャレンジDAY!」が開催され、その照明で昼間のような明るさになっていた。地域振興の一環として大いに結構なことだと思うが、照明設備の電気代は勿体ないという気もする。いっそのこと、サポーター全員が手動発電機を回して場内を明るくすればよいのにと思う。

 なお、翌日のローカルニュースによれば、この日の試合ではファジアーノ岡山が東京ヴェルディに0-2から3-2となる劇的な逆転勝ち。サポーター総数は9436人ということで、1万人チャレンジは大成功をおさめた模様である(通算成績は5勝18敗9分


8月5日(水)

【ちょっと思ったこと】

警備員が時計回りに建物の周りを巡回する理由

 夕食後にたまたま視ていた「クイズ雑学王」という番組で、

●警備員が建物の周囲を巡回する際 時計回りに移動する理由とは?(一般正解率 3%)

という問題が出題された。

 私自身は、おや時計回りと言えば、チベット仏教の巡礼者が回る方向と一緒だなと思ったが、警備中に右手でマニ車を回すわけではないので、宗教上の理由でないことは明白だ。でもって、

建物の陰(時計回りならば、常に右側)から襲われた時、右手で対抗しやすく、しかも心臓が左側にあるから絶命しにくい。 というのが正解であろうと思ったが、本当の正解は、番組サイトにも記されている通りで、
外から窓の鍵を確認しやすいから

日本の建物では、ふすまや障子の作りに倣い、向かって右側の窓が手前になるのが一般的なので、外から見ると窓の鍵は右側に付いていることがほとんど。
そのため、時計回りで巡回すれば、鍵をいち早く確認でき、移動もスムーズに行える。しかし、反時計回りで巡回すると、鍵をあらかじめ確認することが出来ず、立ち止まって確認する必要があるため、移動の効率がよくないとされている。
ということであった。夕食後の散歩時に、大学構内の建物や民家の窓などに目を向けてみると、確かに、向かって右側の建物であれば、窓の施錠の様子が直ちに確認できる。左右の位置については以前、人間界の左と右などという中途半端な連載を開始したことがあったが、窓の付け方にこういう慣習があるということは今まで気づかなかった。

 次に疑問となるのは、ではどうして、ふすまや障子では向かって右側が手前になるのだろうか。部屋の内側から障子を開ける場合、右利きの人であれば左から右方向に開けたほうが開けやすいようにも思える(もっとも、閉める時はその逆となるのでそれほどの利便性はないが)。と思って「障子 左右」で検索したところ、こちらにかなり詳しい解説があった。要するに、障子が普及した当時すでに「着物の左前は縁起でもない」とされていたため、室内からみて右前になるように配置されたということらしい。

 なお、念のため付け加えると、右前のガラス戸は外から見ても当然、右前である。施錠の有無というのは、室外から、ガラス越しに室内をのぞき込んで確認するので、これでよいということになる。であるならば、警備員が室内を巡回する時には反時計回りが良いのかと一瞬思ったが、右前のガラス戸はその左端にカギがついているのでやはり時計回りということになる。また、幅の広い通路の両側のガラス戸の施錠を確認する場合は、左側通行で往復することになりそうだ。

【思ったこと】
_90805(水)[数学]確率と統計を考える(4)「3人きょうだいのうち少なくとも2人は男」というのは観察報告ではなくて、分類基準のことだ

 昨日の日記で

●3人きょうだいのうち2人が男の子で、残りの1人が性別不明の赤ちゃんであるとき、その赤ちゃんが女の子である確率


という問題を提案してみたが、この答えは言うまでもなく1/2である。これは要するに、3枚の分厚いコインを投げた時に2枚が表になり、残り1枚は車輪のように立ったままで制止し、表にも裏にもなっていないという状態と同じことだ。テーブルを揺らせば、その残りの1枚は表か裏になるが、どちらになるのかは1/2であって、他のコインとは無関係の独立事象である。男の子2人がすでに生まれている家で、次に生まれてくる3番目の赤ちゃんが男の子になるか、女の子になるのかという確率は1/2であって予測がつかない(←もちろん、父親・精子の性質などが関与すれば1/2でないこともありうるが、ここでは考慮しない)。

 では、元の、
Aさんの子どもは3人きょうだいであることが分かっている。以下の場合の確率を求めよ。 (2)「少なくとも2人は男の子である」という情報が得られた時、残りの1人が女の子である確率。
ろいう(2)の問題の正解はなぜ3/4で良いのだろうか。

 これは、すでに述べた通りで、「少なくとも2人は男の子である」の多義性に原因があるのではないかと思われる。数学問題としての元の意味に近づけるならば、次のように考えるとよいかもしれない。
  • サマースクール企画として、3人きょうだい100組限定でキャンプ大会を開催することにした。
  • 会場設営の都合で、応募葉書をあらかじめ、「少なくとも2人は男の子」というグループと、「少なくとも2人は女の子」というグループに分類。
  • 最後の抽選で、「少なくとも2人は男の子」というグループに分けられた応募葉書の山から1枚の葉書を取り出すとき、その葉書が「男2人、女1人」となっている確率はいくらか?
このようにすれば、「残りの1人は女の子である」という予測が当たる確率は3/4となる。要するに、「少なくとも2人は男の子」というのは、観察報告された情報ではなくて、分類基準であると考えれば問題はすっきりする。

 次回に続く。なお、次回からは、確率と統計に関する別の話題を取り上げる予定。