じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 2009年版・岡山大学構内でお花見(66)梅雨明けの日のヒマワリ

 気象庁は4日、九州北部(山口県を含む)、中国、北陸地方が梅雨明けしたとみられると発表した。岡山では午前中は曇りがちであったが、午後になってよく晴れ、最高気温は33.7度となった。写真は、この日のヒマワリの様子。

 ちなみに、今の時期の岡山は、夕方から22時頃までの気温が高い。楽天版にも記したが、8月4日のアメダスの全国の気温Top10によれば、
  • 17時の気温は32.9度で、全国第3位
  • 18時現在では32.2度で、多治見市に次いで全国第2位。
  • 19時現在は31.3度。那覇と並んで全国で気温トップの栄誉に輝く。
もっとも、19時頃から北よりの風速4mほどの風が吹いたため(こちらのデータ参照)、窓を開けていれば十分に暑さをしのぐことができた。

 今年の夏の特徴としては、熱帯夜が少ないことも挙げられる。こちらのデータによれば、7月の熱帯夜は7/13〜7/15の連続3日と、7/19、7/29の合計5回。8月は、今のところ一度も熱帯夜になっていない。写真左下にあるように、日本の南海上には大きな雲を伴った台風8号があり、今後何らかの影響を与える可能性があり、本格的な夏空は期待薄である(画像は、日本時間8月5日05時)。


8月4日(火)

【思ったこと】
_90804(火)[数学]確率と統計を考える(3)3人きょうだいのうち2人が男の子で、残りの1人が性別不明の赤ちゃんであるとき、その赤ちゃんが女の子である確率

 昨日の日記で、確率というのは
ある予測者が、その時点で獲得している情報をもとに「ある現象が生じる」と予測した場合の当たりやすさ。

ここでいう「当たりやすさ」というのは、仮に同じ条件のもとで同じ予測を100回行ったとして、何パーセント当たるのかというような意味である。
と主張した。要するに、予想者によって計算される確率は、予想者が持っている情報に依存する。情報の内容が異なれば、当たる率(=予想内容と結果が一致する率)は変わってくる。箱の中から当たり籤を引く確率がその良い例と言えよう。

 念のためお断りしておくが、ここでいう確率は主観的な確率ではない。与えられた情報から確率を計算するプロセス自体は客観的であり、もしそれが試験問題として取り上げられた時には正解、不正解として判定される。例えば、コインを2枚投げた時に2枚とも表になる確率について、Aさんは1/3、Bさんは1/4であると解答し、実際に投げたら表が2枚出たとする。この場合、表の出る確率を大きく見積もっていたAさんのほうが「よく当たった」と言えるかもしれないが、数学問題の答えとしてはあくまでBさんが正しい。




 さて、以上の前提をもとに、8月2日の日記の(2)の問題:
Aさんの子どもは3人きょうだいであることが分かっている。以下の場合の確率を求めよ。 (2)「少なくとも2人は男の子である」という情報が得られた時、残りの1人が女の子である確率。
についてもう一度考えてみることにしたい。

 ここでは、確率を計算する人(=「予想者」と呼ぶ)と、「少なくとも2人は男の子である」と報告した人(=「報告者」と呼ぶ)という2名が想定されている。数学的・論理的な問題として考えた場合、「少なくとも2人は男の子である」という報告は、(男、男、男)、(男、男、女)、(男、女、男)、(男、女、女)(女、男、男)、(女、男、女)、(女、女、男)、(女、女、女) という8通のうちから、(男、男、男)、(男、男、女)、(男、女、男)、(女、男、男)という4通りを限定するという意味になる。であるから、残りの1人が女の子であるのは3/4であると解答できるわけだ。

 しかし、これを人と人との情報交換であると考えた場合、「少なくとも2人」というのはまことに意地悪な報告であるように見える。子ども3人をすべて観察しているのであれば、「少なくとも2人」ではなくて、「全員男の子である」か「男2人、女1人である」というように正確に報告するべきである。このように、日常生活場面のコミュニケーションとはかけ離れた表現が出てくるからこそ、数学問題として出題された時に誤答が増えている可能性がある。

 ではどうすれば日常場面に近づけさせることができるだろうか。仮に、3人きょうだいのうち1人は、まだ生まれたての赤ちゃんで、外見上は性別が分からなかったとする。この場合、男の子2人と赤ちゃんが一緒に写っている写真を見て、「この家の3人の子どものうち少なくとも2人は男の子である」と報告することになる。これなら意地悪な報告とは言えまい。


 次回に続く。