じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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つかの間の太陽と朝日を浴びるサツマイモ畑

 6月30日の岡山は本格的な梅雨空となり、午後3時頃〜9時頃にかけては1時間あたり2.5ミリから9.5ミリという強い雨が降った。これで72時間降水量は33.0ミリ、6月の合計降水量は73.5ミリとなった。6月の平年値185.8ミリには遠く及ばないが、危惧された水不足はひとまず解消された模様。また、四国地方整備局と四国4県などでつくる吉野川水系水利用連絡協議会は6月30日午前10時、香川用水と徳島用水の取水制限を一時解除した。

 写真は翌7月1日早朝の太陽と、朝日を浴びるサツマイモ畑。ウェザーニュースによれば、この晴れ間はほんの一時的であり、朝9時頃からは梅雨前線の南下により再び雨が降り始め、昼頃には1時間あたり10ミリの大雨になるということだ。



6月30日(火)

【思ったこと】
_90630(火)[心理]熱中と離脱のスパイラル(4)

 連載の4回目。今回は、
●そもそも「スパイラル」の存在は検証できるのか。

について考えてみることにしたい。

 今回取り上げている「スパイラル」は、数ヶ月、時には数年から数十年にわたる行動の持続と変化を特徴づけるものである。それゆえ、長期にわたる縦断的な観察記録を得られない限りは、確実なエビデンスは得られにくい側面がある。しかし、少なくとも、その人が現時点でスパイラルのまっただ中にある時は、実験的に行動機会を変えることで、その人の熱中状態、あるいは行動の減少から離脱に向かう変化の原因を同定することが可能である。

 例えば、スポーツ競技に参加している人にとっては、競技の結果(優勝、惨敗、記録更新など)を克明に記録し、当人が、当面の目標をどこに置き、目標達成と練習との関係についてどのような点検行動を行っているのかを調べれば、その人のスポーツ行動が、単純な好子出現で強化されているのか、それともここで言っているようなスパイラル的な推移をたどっているのかを見極めることが可能であろう。

 6月27日の日記で述べた、「関連諸行動による連携・相互強化」の場合でも、ある日突然デジカメが故障した時、「山に登って花の写真を撮り、それをブログで公開する」という一体化した行動がどのように影響を受けるのかを観察すれば、「山に登る」、「ブログを書く」というそれぞれの行動が独立的に強化されているのか、それとも、デジカメ撮影を含んだ連携的な行動としてスパイラル構造を持っているのかをある程度確認することができるだろう。

 行動が減少・離脱に向かうスパイラルについても同じことが言える。高齢者において、体力が衰え、それまで自力でやり遂げていた作業が困難になっていくという事例を考えてみよう。このことが続くと、高齢者の自立的な行動は「達成」や「完成」というような自然の好子出現では強化されなくなり、消去されていってしまう。それらは、介護スタッフのウソっぽい賞賛で付加的に「強化」しようとしても満たされるものではあるまい。むしろ、体力の衰えに合わせて、少ない力でも作業が遂行できるような設備を備えるべきである。これ自体はまだ単線的な強化の範疇であるが、「体力の衰え→自立的作業行動の消去」という悪循環を断ち切る工夫自体は、スパイラルの検証にもなっているはずだ。


 次回に続く。