じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 2月7日の日記に続いて、岡山市のゴミ有料化実施後の定点観察。違反行為が最も目立つA地点では、火曜日の夜(収集日は木曜日朝)から2袋が持ち込まれていた。写真は水曜日昼に撮影したものであるが、そのうちの1袋が破られ、中からレンコンや(写真には写っていないが)バナナの皮が引き出されていた。
 2月7日の日記で、今後の、定点観察のポイントとして、
  1. ゴミ減量化は実現したのか。
  2. 収集日以外に不法投棄する行動、あるいは、指定袋以外の袋にゴミを入れるといった違反行為はどうなるか。
  3. 黄色いゴミ袋になって、カラスの被害は減ったのか。
といった点を挙げたが、このA地点に関しては、
収集日以外に不法投棄する人は相変わらずであるが、指定袋に入れるという点だけは守っている。いっぽう、黄色いゴミ袋でもカラスは穴を開ける。 という証拠が1例得られたことになる。ゴミ袋に穴を開ける動物としては、カラスのほか地域猫や狸も考えられるが、今回はカラスが犯人である可能性が高い。猫はバナナを喰わないからである。



02月12日(木)

【ちょっと思ったこと】

「顔」って何だろう?

 2月9日の朝、テレビのスイッチを入れたら、NHK教育テレビで「知るを楽しむ 「「顔」って何だろう?という講座が始まるところだった。なかなか興味深い内容であったので、とりあえず2回目以降も予約録画を入れた。

 番組サイトによれば、講師の馬場先生は、「東京大学理学部生物学科人類学課程卒業。同博士課程中退。専門は形態人類学。独協医科大学解剖学助教授、東京大学大学院理学系研究科教授(兼任)などを歴任。医学博士。元日本人類学会会長、日本顔学会副会長。」という相当の経歴をお持ちの方だが、お顔だけ拝見すると何だか私より若く見える(←実際には私は56歳、馬場先生は1945年生まれなので63〜64歳と推定される)。

 1回目の「顔、この不思議なるもの」では、
  • 顔はまず口から生まれた。
  • 目は距離を正確に測るように進化した。
  • 人間以外の動物は視線を外敵に悟られないように、黒目が大きい(どこを向いているのか知られないほうが利点が大きい)。人間では逆に、視線を捉えることで相手とのコミュニケーションがうまくいく。
  • 鼻は、魚の時代には単なる嗅覚器官であったが、陸上にあがって呼吸器官としての役割を持つようになった。
といった点が大いに参考になった。2回目はザッと録画チェックしただけでまだ詳しく見ていないのだが、アフリカで誕生した人類の祖先が、太陽光線の強さや気温や食べ物に合わせて、肌の色や、鼻の高さ、あごをの形を変えていったというような話が出ていたと記憶している。

 これらの話はそれぞれ「なるほど」と思わせるところがあるのだが、若干気になったのは、人間や動物が、まるでカメレオンみたいに環境に合わせて肌の色を変えたり、あるいはそれこそ化け狸みたいに形を変えることができるというような印象を与える説明が混じっていた点である。

 確か2回目だったと思うが、白人は強い太陽光線に晒されると皮膚癌になりやすい。いっぽう黒人は皮膚癌には強いが、太陽光線の少ない高緯度地方で生活しているとビタミンDが合成されにくく、くる病になりやすいというような話が出ていた。さらに、アジア人については、番組サイトにも記されている通り、
アジア人の特徴は、頬骨が前に出て、鼻が低く、全体的に顔が平べったいということ。また、何よりの特徴が、目の細さと一重瞼が多いこと。これらの特徴が形成されたのは、氷河期にまで遡る。当時北アジア内陸は極寒環境にあった。そこで、眼球を守るため目は細くなったと考えられる。また、鼻が低いのは、凍傷を防ぐためで、頬が高いのは、鼻腔から入る空気を効率的に暖めるのに適しているのからである。
というような解説があった。こういう話を伺っていると、なんだか、環境の適応に応じて獲得形質が遺伝していくような気がしてしまうが、最近の分子遺伝学の研究ではどこまでが受け入れられているのだろうか。

 いずれにせよ、「特定の環境に適応する上である種の身体的特徴が有用である」と解説することと、「特定の環境に適応するように、ある種の身体的特徴が変化していった」と解説することでは大違いである。

 あと、個人の顔が、食習慣(例えば、硬い物をよく食べる)によって変化していくということと、そのように変化したことが子孫に伝わるかどうかということも分けて考えなければならない。硬い物ばかり食べていれば確かに顎は発達する。食習慣を考慮に入れると、その人が、10年後、20年後にどのような顔になるのかも相当程度予測できるそうだ。しかし、だからといって、その特徴が子孫に遺伝するわけではなかろう。もちろん、同じ家庭で同じ物を食べることによって、親も子どもも顎の発達の程度が似てくると言うことはできるが。