じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 1月8日の夕焼け(写真上)と9日の朝焼け(写真下)。夕日が沈む前後には、放射状の光のスジが天頂付近まで延びるという珍しい光景が眺められた。



01月09日(金)

【思ったこと】
_90109(金)[一般]地デジ移行のウソホント(6)ダビングは著作権侵害になるのか?

 昨日の日記で、
 ところで、地デジ対応デッキと、すでに持っているアナログ専用デッキをコンポジットケーブルでつなぐと、地デジ側で録画したCPRM対応番組は、どうやら、アナログ側でCPRM非対応の形でダビングができる模様である。さらに、DVD-Rに録画していた番組を地デジ側で再生すると、アナログ側で再録画ができる模様である。もしこれが可能であるとすると、従来のアナログ標準画質モード(SP)でよければ、ダビング10の制限にかかわらず、何回でもダビングできてしまうし、DVD-Rからもう1枚のDVD-Rを作ることもできる。
という可能性があることを指摘した。

 もっとも、私自身は、番組を録画するDVDの枚数は、1番組につき2枚と決めており、そんなに何枚もコピーをつくるつもりは全くない。そんなことをしても場所ふさぎになるだけで何のメリットもない。ではなぜ1枚ではなく2枚なのかと言えば、VHSテープに比べるとDVDというのはイマイチ信頼性・耐久性に欠けており、1枚だけでは安心できないというのがいちばんの理由である。じっさい、これまで5回ほど、パソコンのDVDドライブに長期間入れっぱなしにしておいたDVDの表面の塗装がはげたり、また、うっかり落とした時の傷で、使い物にならなくなってしまったという事故が起こったことがある。もちろん古いVHSテープでも、途中で切れたり、カセットの中で詰まってしまうというような事故はあるが、テープの場合は、当該部分を切り取って繋ぎ合わせるだけで残りの部分は問題なく再生できる。私のところには最も古いもので27年前のVHSカセットがあるが、まだまだ再生は可能である。

 とはいえ、地デジ完全移行となると、CPRM非対応のDVDではダビングができなくなり、また手持ちのパソコンのDVDマルチドライブでは再生が不可能になってしまう。私の場合、ダビングの主たる目的は、Web日記などのネタとして関連番組を再生しながらメモをとるか、もしくは二カ国語放送で英語力を保持する(←この歳になると、さすがに上達は期待できないが)ことにあるので、CPRM非対応が使えなくなるというのはまことに不便になる。それゆえ、上掲のような「裏技」が使えれば、まことにありがたいと思っている。なおウィキペディアの当該項目には、
日本の著作権法は平成11年改正で、その著作物の著作権を有していないにも関わらず、コピーガードを回避してコピーを作成する事は適法な私的使用とは認められないとされているが、自分や家族が出演、あるいはインタビューなどで自分や家族などが映っている映像など、どうしてもメディアのバックアップコピーを作成したい大切な映像がある場合には、回避行為であることを知りながら、この画像安定装置などを購入の上、バックアップコピーを作成する事がよくあると言われている。したがって、コピー抑止効果としては、実質的には、「デジタルのままではコピーできないが、アナログに変換すればコピーできる(=アナログホール)」という、民生用デジタルオーディオ機器に採用されているSCMSによく似ている。
と記されているので、仮に可能性があっても、実際にそういう行為が許されるかどうかについては注意が必要である。




 ところで、なぜ地デジではCPRM(Content Protection for Recordable Media )が導入されるようになったのだろうか。社団法人 デジタル放送推進協会のサイトによれば、著作権の問題に関しては、
テレビ番組は著作権で守られています。
録画したテレビ番組を個人で楽しむ限りは問題ありませんが、許可なくダビングして他人に配ることは著作権法に違反します。また不正にダビングしたテープが出回るようなことになれば、番組の制作者や出演者などの権利が著しく侵害され、良質な番組の提供に支障をきたすことになります。
というように記されているが、法律的な規制自体はアナログ放送でも、地上デジタル放送でも何ら変わらないはずである。どうやら、地デジのほうが高画質であり、ダビングしても画質が劣化することはない。それゆえ、海賊版が出回り、著作権者に損害を与えやすくなるというのが、CPRM導入の最大の理由であったようだ。

 しかし、そもそも、無断でダビングして海賊版販売で金儲けをしようとするような行為は、必ず、外に漏れるものだ。なぜなら、金儲けするためには何らかの形で、不特定多数に宣伝広告を発信しなければならないからである。であるからして、そのような販売行為を厳罰化すれば十分に防げるはずであり、それでもなお闇取引が横行するということであれば、おとり捜査を導入すればよい。例えば、クチコミサイトやメイルなどで、海賊版を販売するサイトが発見された時は、おとり捜査官がわざと契約し、海賊版の受け渡しの証拠を押さえた上で摘発すればすむはずである。

 それと、人気映画などはもともと、ダビングされて困るくらいなら無料放送で流すべきではない。著作権保護対策がきっちりしている有料放送(別契約)で流すか、市販あるいはレンタルのDVDとして提供すればよい。

 もともと、一般市民がダビングをするのは、旅行先で写真撮影をしたり、Web日記を記すのと同じで、後日、何かの必要があって記憶を蘇らせたり、懐かしむことが主たる目的であるはずだ。この範囲の行為では何ら著作権は侵害されておらず、そういう、善良な行為としてのダビングと再生行為が地デジ導入で制限を受けるというのはどうにも納得できない。「地デジは便利だ」という宣伝ばかりでなく、こういう不都合についてもちゃんと説明し、不便さを解消することが、真の普及につながると私は思う。


 次回に続く。