じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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12月29日(月)

【ちょっと思ったこと】

中国自動車道の多重衝突事故を免れる

 29日の午後、中国道を通って岡山から北九州に帰省した。年末とは思えないほど空いており、1台も車が停まっていないPAもあった。

 ところが、徳地ICを過ぎたあたりで、「美祢IC〜美祢西IC間、事故のため通行止」という情報が入る。そこで急遽山口JCTから山陽道・山口南ICに向かい、山口・宇部道路、山陽道(宇部JCT→下関JCT)経由に経路を変更し、特に渋滞もなく無事に関門橋を渡って北九州にたどり着くことができた。

 翌日の新聞記事によれば、当該の事故は、午後7時頃に中国道下り線伊佐PAから西に2kmほど進んだ地点で発生した、大型トラックや乗用車など20台近くが絡む多重事故で、1人が死亡、他に男女5人が軽い怪我をしたという。いくら安全運転していても、こんな多重事故に巻き込まれてしまったら避けようが無い。この日は出発の支度に手間取り、予定より30分ほど遅い出発となったが、まさにその遅れによって、事故に巻き込まれずに済んだ。くわばらくわばら。




わけのわからんNHK教育の放送時間短縮

 12月29日、NHK教育の放送時間が短縮された。実際の放送時間は午後0時30分から21時30分までとなっていたようだ。新聞番組欄には、
地球温暖化に一層関心をもっていただくために、教育テレビは今日一日、放送時間を短縮し節電とCO削減に取り組みます。...教育テレビは今日の放送時間短縮で普段の日と比べ約9・4トンのCOを削減したことになります。...NHKは今後も環境問題についての番組を放送すると共に、自らも日々の活動において排出COの削減などに取り組みます
というようなメッセージが記されていた。

 帰省の移動中でもあり、私個人としては特段の不都合が生じたわけではないが、うーむ、なんだか趣旨のよく分からない放送時間短縮であった。

 まず、「普段の日と比べ約9・4トンのCOを削減した」という部分だが、そもそも何をもって約9・4トンの削減になったのかが、新聞メッセージを読んだだけではさっぱり分からない。NHK教育だけ放送時間を短縮しても、視聴者は同じ時間帯に他の番組を視るだけであり、家庭の消費電力が削減されるとは思えない。とすると、約9・4トンの削減というのは放送電波を発信するためのエネルギーのことなのだろうか。しかし、「放送時間短縮のお知らせ」というメッセージ画面を放送するだけでも同じエネルギーが必要ではないのかなあ。

 とにかく、COの削減というのは、地球規模、少なくとも日本の国全体の規模において実効性のある形で取り組まなければならない。1団体や1個人が自己満足的に「削減」に取り組んでいるだけでは、トータルで逆に排出量を増やしてしまうこともありうる。

 例えば特定の日に、NHKや民放が一斉に環境番組を放送したとする。それを視た人は何かしら影響を受け、中長期的なCO削減に貢献するかもしれないということは、ある程度期待できるだろう。しかし、もしかするとこの種の番組を視る人はもともと環境問題に関心の高い人だけであって、関心の低い人たちの場合は逆に、「今日は面白い番組が無いので、車で外出しようか」というようにその日の過ごし方を変えるかもしれない。つまり、環境番組を放送すると、テレビを視ないで車で外出する人が増えて、視聴者全体が排出するCOも逆に多くなってしまうという可能性だってある。

 もっとも、以上はあくまで、テレビ放送全体についての一般論にすぎない。原則論の立場から言えば、NHK存立の基本は公共放送にある。強制的に受信料を徴収して放送をするからには、その内容は、民放では採算がとれず放送できないような公共的内容、つまり、報道、災害情報、弱者支援、教養、芸術、文化などに限定されるべきである。このWeb日記で何度か取り上げているように、受信料を徴収して大リーグ中継をするというのは言語道断。大リーグ中継をやりたいなら、別会社を立ち上げて、任意契約で有料放送をすればよい。

 NHKに限って放送時間の問題を考えるのであれば、まずは、公共放送という使命に照らして番組を厳選し、大リーグ中継とかプロ野球中継のような、民放でも放送可能な番組をバッサリと削減することが第一であろう。いっぽう、障がい者支援のような番組は、100人に1人しか視ないような低い視聴率であっても、放送時間短縮対象からは外すべきである。ネット経由の番組配信が増えれば、電波放送の役割もまた変わってくるとは思うけれど。