じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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§§  2008年版・岡山大学構内の紅葉(23)イチョウ並木の黄葉、終盤

 岡大構内の南西の端には、南北通りや農学部南、薬学部西などと比較して最も落葉の遅いイチョウ並木がある。そのイチョウたちも、前日の雨でかなりの葉っぱを落とし、黄金の絨毯が出現した。12月6日は寒風が吹き荒れ、12月7日は午前0時台からずっと氷点下の気温が続いているため、残りの葉っぱも大部分落ちてしまったはずだ。日曜日の散歩の時に確認してみようと思っている。



12月06日(土)

【思ったこと】
_81206(土)[心理]日本心理学会第72回大会(58)因果帰納推論と随伴性学習(2)

 昨日の続き。なお、このシンポは、日本人発表者は日本語、Cheng氏は英語で話題提供・指定討論を行ったが、パワーポイントスライドのほうはChen氏にも分かるよう英語で表記されていた。よって、ここで用いられる日本語表現は長谷川が勝手に訳したものであり、もしかすると誤訳があるかもしれないことをお断りしておく。

 シンポではまず、嶋崎氏による趣旨説明があった。人間(動物)が事象間の関連性(ここでは「因果帰納推論」とほぼ同じ意味)の強さをどのように評価するかを解明し、諸結果をうまく説明するようなモデルを構築することであると理解した。

 因果推論の研究はもともとピアジェの発達心理学の研究(Inhelder & Piaget, 1958など)や、学習心理学(Somedslund, 1963など)、帰属理論(Kelly, 1967, 1972など)に起源があるという。

 この位置づけ自体には異論はないが、推論や原因帰属がもとになって行動が遂行されるかどうかについてはもっと別の見方がありうる。例えば、スキナーらによって創始された強化スケジュールの研究は、行動と結果のあいだのさまざまな関連性が遂行の量やパターンに影響を及ぼすことを明らかにしているが、そのさい、人間や動物は別段、推論や原因帰属に基づいて行動を起こしているわけではない。同じことは主観的確率判断の問題についても言えるが、このことはまた別途論じることにしたい。

 さて、元の課題については、これまで3つの研究の流れがあったという。1つは、連合主義的なアプローチでありその代表格がレスコーラ・ワグナーのモデルである。これらの研究は主として動物を被験体とした学習心理学の実験研究の中で発展してきた。もう1つは、今回の指定討論者(「Comment and more」)のChen氏らによる「Causal approach」である。後者は前者と異なり「generic knowledge」を暗黙に前提としているが、その後、動物実験でも証拠が得られているということであった。3番目は、「Causal Bayesian nets」と呼ばれるものであり、この研究の第一人者はもちろん繁桝氏である。もっとも、昨日も苦言を呈したように、時間配分のミスにより、繁桝氏の指定討論はほんの数分間しか拝聴することができなかった。


次回に続く。