じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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§§  岡山大学構内でお花見(60)フジバカマ
文学部(文法経1号館)西側出口付近に咲くフジバカマ。奥のオレンジ色の花はレオノティス。さらにその奥の大きな穂はダンチク(暖竹、別名ヨシタケ)。


10月17日(金)

【ちょっと思ったこと】

珍しく風邪?

 木曜日夕方あたりから、突発的な頭痛が生じるようになり、金曜日になってもおさまらず。

 私の場合、ウイルス性の風邪にかかった時は決まってこういう症状が出るので、大事をとって、18日早朝の散歩は中止した。ちょうど紅葉のシーズンでもあり、鳥取県・大山への登山計画もあったのだが断念。ま、いろいろな締切に追われている時期でもあり、無理をしない範囲で書類作成ができるのでかえって好都合かも。

【思ったこと】
_81017(金)[心理]日本心理学会第72回大会(21)超高齢者研究の現在(13)虚弱の定義の多様性

 話題提供の後半では、虚弱(Frailty)の定義の多様性について言及があった。

 じっさい、ランダムハウス英語辞典で「frailty」を調べると、
  • もろさ、はかなさ、弱さ
  • 性格の弱さ、誘惑に陥りやすいこと、意志薄弱
  • (性格的弱さから生じる)短所、弱点、欠陥
とうような意味が記されており、また、『新明解』では「虚弱」は「からだが弱くて病気がちの様子」とされている。しかし、高齢者や超高齢者は虚弱になっていくと言っても、上記のすべてが進行していくわけではない。

 話題提供者によれば、虚弱は大きく分けて、依存性(dependency)に基づく定義と、ぜい弱性に基づく定義、さらに病気の状態に基づく定義があるという。このうち前者はさらに、ADL(日常生活動作)に問題があるレベルと、IADL(道具的日常活動動作)に問題があるレベルに分かれる。例えば、歩く機能自体は満点だが、交通機関を利用できないという場合はIADLは低く評価される。今回の話題提供では、「ADLに問題はないが、IADLに問題があるレベルと虚弱とする」という定義が重視された。この定義に基づく調査では、老年的超越と虚弱との有意な関連性は示されなかったという。

 ネットでも種々解説されているように、道具的日常活動動作(手段的日常生活動作)とは、バスに乗る、電話をかける、掃除をする、などを含むものである。行動分析学であてはめれば、オペランダムへの操作を含むオペラント行動と考えることができるだろう。歩く、見る、聴くといったオペラント行動に比べると、刺激弁別、反応分化などが関与し、難易度の高いスキルが要求されることもある。但し、第三者からの適切なサポートがあれば引き続き行動を維持できる。広義の「セラピー」や「療法」は、(医療効果目的ではなく)こうした領域での系統的なサポートを含むものであると見なすことができる。


 次回に続く。