じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



08月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る
 岡大・本部棟に写る青空と雲。マグリットの絵を連想させる。なお、8月24日は、右隣の五十周年記念館で岡山大学進学相談会が開催された。


8月24日(日)

【ちょっと思ったこと】

宅配便の配達はどこからが「手抜き」か

 ネット通販で登山用品を注文、日曜日の19時以降という時間指定で配達を依頼し、夕食後の散歩をせずに21時すぎまでずっと待っていたのだがいつまで経っても荷物が届かない。もしやと思って、アパート階段入口の郵便受けを覗きに行ったら、「18時半に配達に来たがお留守だったので持ち帰りました」というような連絡票が入っていた。そんなはずはあるまい、この日は夕刻からずっと家に居たので、玄関のチャイムを鳴らしてもらえば確実に受け取れたはずだ。おそらくこの配達員の方は、階段を上がらず、たまたま電話がつながらなかったので留守だと思い込んで持ち帰ったのだと思う。

 しかし、21時すぎに不在連絡票を手にしたところで当日の配達依頼はできない。宅配業者の営業所に直接電話し、翌日午前中のできるだけ早い時間に配達してもらうということになったが、これって、昼間荷物を受け取れない単身者や、翌日から旅行にでかける予定の人だったら相当に困るのではないかなあ。

 そう言えば、同じ時間帯に、別の宅配業者からも、別の荷物に関する電話があった。「いまからそちらに配達に行ってもいいですか」という在宅確認であった。私のアパートはエレベーターが無いので、せっかく階段の上まで荷物を運んでも万が一留守だったらまたまた持ち帰らなければならない。これはかなりの重労働になるので、予め電話で在宅確認をとるという方法はアリかなあと思う。但し、上記のネット注文品の場合は、こちらから配達時間を指定して依頼した品物である。たまたま電話に出なかったからといって留守扱い、それも、階下の郵便受けに不在連絡票を放り込んだだけというのでは困る。配達員さんの労力のことを考えたとしても、これはやはり「手抜き配達」というべきであろう。

 それと、電話で在宅を確認するというやり方は、犯罪に悪用される恐れがある。例えば、空き巣を企む悪者が宅配業者を装って電話をしても、その電話がホンモノかどうかを判断できない。うっかり「何時から何時までは誰も居りませんので」などと教えてしまったら、その時間にどうぞ空き巣にお出でくださいと言っているようなことになる。

 このほか、私の家などは、もともと、ナンバーディスプレイ機能で相手方の電話番号を確認し、番号が表示されない電話はシャットアウト、また表示されても正体不明者からの電話は受話器をとらないようにしているので、別の面でも困るという事情がある。

【思ったこと】
_80824(日)[教育]ベトナム語の漢語(漢越語)は日本語漢熟語の発音によく似ている

 アンテナ経由でいつも拝見している某ブログを通じて、漢語由来のベトナム語の発音は、同じ漢字熟語の日本語の発音とよく似ているという論文があることを知った。出典はこちら(『世界の日本語教育』、2008年6月)。論文タイトルは

ベトナム語母語話者にとって漢越語知識は日本語学習にどの程度有利に働くか
――日越漢字語の一致度に基づく分析――

論文著者は、松田真希子、タン・ティ・キム・テュエン、ゴ・ミン・トゥイ、金村久美、中平勝子、三上喜貴の6氏共著であった。

 論文によれば、日本語能力試験出題語彙全約8,000語に占める二字漢字語は約4,000語。このうち、二字漢字語においては全体の5割が一致語や類似語であり、また、和製漢語と漢越語の一致率は6割以上であり、学術専門用語であれば更に一致する可能性があるという。

 論文によれば、「大」という漢字は、日本語では「ダイ」あるいは「タイ」だが、現代中国語では「ター」というように日本語と異なる発音となる。いっぽう、ベトナム語では、日本語に近い「ダイ」という発音になるという。これは、現代日本語の漢字の発音の多くが呉音と漢音であることに由来している。漢越語は中国南方から入った漢字音が多く、少なくとも呉音については、日本語と発音が共通している模様である。

 以上から、ベトナム人が日本語を学習する場合、一から日本語を教わるより、まず、漢字数百字とそれに対応する漢越音を覚え、そこから意味を類推するということのほうが、学習を早める効果がありそうなことも示唆されている。日本人がベトナム語を学習する場合にも、おそらく同じことが言えるのではないかと思う。

 日本語と中国語を相互に学習する場合には、文字としての漢字の共通性が大いに役立つ。じっさい私自身、中国国内を何度か旅行したことがあるが、街中を一人で歩いていても地名が分からなくなることはないし、お店の看板も、テレビのニュースも、漢字を手がかりにしてなんとか意味を類推することができる。しかし、中国語発音のほうは全くダメで、音声だけでは何も伝わらない。これに対してベトナム語の場合は、文字の共通性は全く無いが、漢語由来の単語の発音の共通性をうまく利用すれば、コミュニケーションがとれる可能性がありそうだ。

 余談だが、一昨日、某家族に「ねえ、ベイジングって何のこと? 最近よく見かけるけれど...」と訊かれた。おいおい、北京オリンピックももう終わったというのに、いまさらそんなこと言われてもなあ。