じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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8月8日のアヴァチャ山登山時の気象

 写真上は標高2000m付近からのアヴァチャ頂上方面(現地時間10時37分頃撮影)。上空は青空が広がっているが、頂上付近の雲はしだいに厚くなりその後翌朝まで晴れることは無かった。写真下は、この日、最後に見えたコリャーク山頂上付近(10時27分頃撮影)。コリャーク山のほうも、このあとは霧に覆われ、翌朝まで姿を現すことはなかった。

 なお、虹やブロッケン現象の写真が8月12日付けの楽天版にあり。


8月17日(日)

【思ったこと】
_80817(日)[旅行]花のカムチャツカとアヴァチャ山登山(6)クチコミ(3)アヴァチャ登山と天気

 カムチャツカ旅行のクチコミ情報(←個人体験に基づく「おでかけ情報」というような趣旨)の3回目は、アヴァチャ山登山。なお、すでに述べたように、ロシア語では「アヴァチャ」より「アヴァーチャ」に近い発音となる。また、旅行社の案内では「アヴァチャ山」は「アバチャ山」と表記されることが多い。

 ところで、山登りの目的と言っても登山者によって多種多様。大ざっぱにわけると以下のようになるかと思うが、必ずしも排他的ではなく、それらを複合的に楽しむ方もおられる。
  1. とにかく登頂を目ざす。さらには、百名山完登、登頂回数、高齢登頂記録などに挑む方もおられる。この場合、天候は二の次で、とにかく、頂上に立つということに意義を見出す。
  2. 登山の最中あるいは頂上からの眺望を楽しむ。悪天候で眺望がきかない場合は、無理には登らない。
  3. 登山時や下山時の高山植物を楽しむ。眺望はイマイチでも、美しい花や珍しい花に出会えればそれで満足できる。
  4. 基礎体力づくり、足腰を鍛える、体脂肪や悪玉コレステロールを減らす、といった別の目的の手段として山に登る。
 このほか、同行者との交流や、集団行動としての登山に意義を見出す方もおられる。

 以上1.から4.の目的別に見た場合、アヴァチャ山は、1.と3.と4.を達成するには適した山であるが、2.については、悪天候の日が多いことからみて、目的をかなえるのはかなり難しいように思う。

 じっさい、MSN天気予報で、アヴァチャ山麓に最も近いエリゾボの週間予報を調べてみると、8月18日朝の時点で、8月21日まではすべて雨、22日になってやっと曇りという予報が出ている。私たちが滞在中した8月5日から12日も、大部分は曇り、時たま雨という天気が続いており、2〜3週間にわたってスッキリ晴れる日は一日も無いという可能性がある。

 カムチャツカに限らず、旅行会社の案内パンフでは、旅行先の各所の美しい風景が載っているが、あれは、最高の気象条件のもとで撮影したものであって、じっさいに同じように晴れるとは限らない。誇大広告と言えないこともないほどだ。であるからして、各種ツアーを主催する旅行社にあっては、少なくとも、現地の気象データ(月間雨量や気温ばかりでなく、晴天日数なども)をツアー募集時にちゃんと示しておくべきだと思う。

 とはいえ、もともと悪天候の多い地域であるので、天候を「運」まかせにするわけにはいかない。悪天候が続くことを前提とした上で、「万が一」スッキリ晴れた時にはどこへ行くか、雨が続いた時は代替地としてどこを訪れるのか、というように臨機応変に対応できるようなツアーを組むべきだと思う。また、少なくとも日本ではネット経由で現地の天気予報が見られるわけだから、添乗員の方は、携帯電話やメイルで日々、本社と連絡をとり、それぞれの日の気象条件にマッチした行き先を選んでいくことも必要ではないかと思う。

 余談だが、8月1日の皆既日食(ノボシビルスク、モンゴル、新疆・巴里坤、西安など)では、一番晴れる確率が高いとされたところで日食の直前に雲がかかり、逆に曇ると予想された地点はよく晴れてコロナがバッチリという結果になったと聞いている。山登りの場合と異なり、皆既日食ツアーの場合は、単に晴れればよいというだけでなく、太陽の周りに雲が無いことが絶対条件となるからさらにシビアである。

 前にも書いたかもしれないが、皆既日食やオーロラ見物のツアー限定で、悪天候その他の気象条件で当該現象が見られなかった時には慰謝料を支給するというような旅行保険があればいいなあ、と思うことがある。山登りの場合は「慰謝料」というほど大げさでなくてもよいが、せめて、悪天候で登山中止になったり眺望がきかなかった場合には、次回の同種のツアーの参加代金を0.8倍(2割引)にする(2回続けて悪天候の時は、0.8×0.8=0.64倍、3回続けて悪天候の場合は、0.8の3乗倍の代金)というような特約があっても良いのではないかと思う。もしそういうツアーができたら、このアヴァチャ山に関しては、スッキリ晴れるまで何回でもチャレンジしたい。

 次回に続く。