じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 田んぼに映る月齢13.7の月。夏至の頃は、満月前後の月は南の空の低い位置にあって、田んぼに映りやすくなる。今年は6月18日が赤緯最南、19日未明に満月を迎えるので、最も低い満月を眺められる。但し、梅雨空と重なるため、そのチャンスは少ない。2006年6月11日の日記に同様の写真あり。



6月17日(火)

【ちょっと思ったこと】

ひらがなの「じぶん」

 各種報道によれば、KDDIと三菱東京UFJ銀行は、共同で設立するモバイルネット銀行の商号を「株式会社じぶん銀行」に決議したという。ひらがなの「じぶん」というのは、このWeb日記の名称でもある。自分で言うのも変だが、考えてみれば随分と妙な呼称でもある。

 念のためGoogleで「じぶん」を検索したところ、6月18日朝の時点で約2,420,000件がヒット。トップは、「じぶん日記」という個人サイトのようだが、私自身は一度も拝読したことがない。このWeb日記は12番目にヒットするようだが、「じぶん銀行」の名前が知れ渡れば関連する話題も多くなり、ランクはますます下がっていくものと思われる。

 ちなみに、このWeb日記のタイトルの「じぶん」が平仮名で表記されているのは、日記執筆開始の前年に刊行された

鷲田清一先生の『じぶん・この不思議な存在』

からヒントを得たものであって、私のオリジナルのアイデアではない。

【思ったこと】
_80617(火)[心理]人間・植物関係学会2008年大会(12)カッティングガーデン

 午後の発表の中で、カッティングガーデンに有望な植物を分析した研究があった。カッティングガーデンというのは、フラワーアレンジメントのための切り花として利用することを想定した花壇であり、栽培の楽しみと、切り花としての利用という一石二鳥の効果が期待される。

 もっとも、その場で鑑賞することを目的とした花壇に植えられる花がすべて切り花に適しているわけではない。当日のご発表のほか私自身の判断も含めて述べさせていただくと、まず、日中しか開花しないような花は切り花には適さない。一日で萎れてしまう花もダメ。さらに、水揚げの悪い花、毒性の強い花、香りのキツすぎる花も適さない。茎が弱かったり、群生させないと見栄えが悪い花も通常は利用しにくいと思われる。

 今回の発表では、カッティングガーデン用の品種を紹介している外国文献7点から、頻出度、入手や水揚げの難易度、さらに価格などを評価し、主成分分析で第1主成分得点の高い上位100種類をまとめるという手法が用いられた。その上位5位は、キンセンカ、次いで、水仙の仲間、バラ、ヤグルマギク、ビジョナデシコという順になっていた。第2主成分が何を意味するのかについては、フロアからも質問があったが、よく分からないままであった。

 私自身も質問させていただいたところであるが、外国文献で推奨される品種が、そのまま日本の文化に当てはまらない場合もある。今回トップだったキンセンカは、日本では、お仏壇やお墓に供える花というイメージが強い。もちろん、カッティングガーデンではそういう利用も想定しているとは思うが、例えば高齢者福祉施設で、キンセンカのフラワーアレンジメントが参加者のお年寄りにどういう心理的影響を与えるのかは別途調査したほうがよいかと思う。また、欧米で推奨されている植物であっても、日本の気候風土には適さない場合がある。

 このほか、この種の分析で主成分分析を用いることの意味がいまひとつ分からなかった。現実に、ある場所でカッティングガーデンを設置しようとした場合には、その花壇の日照や土壌、水はけ、さらには、参加者がどの程度手間をかけられるか、どういう目的で切り花を利用するのか、といった、その場所での固有の要因が大きく働いてくる。ランキングで上位にあることが必ずしも推奨品種になるとは限らないように思えた。また、価格などは、苗の出荷量やその時々の流行によって大きく変わるものであろう。

 次回に続く。