じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 楽天版でも速報したように、農学部農場の麦畑で5月15日午後に刈り取り作業が行われた。写真は16日早朝の様子。



5月15日(木)

【ちょっと思ったこと】

春日局

 1日前の話題になるが、5月14日の夕食時にたまたま視た「日本史サスペンス劇場」という番組で、春日局のことを取り上げていた。大学入試の時は日本史で受験したことがあるが、それ以来は全く縁が無く、また、歴史物の映画やドラマは全く視ないこともあり、春日局のことも、徳川十五代の将軍の名前なども殆ど忘れかけていた。

 今回の番組でも取り上げていたが、徳川の将軍というのは、決して、安穏とした世襲制で代替わりしていったわけではない。ウィキペディアの当該項目にもあるように、出身家はマチマチであり、そこには様々な権力争いがあった。春日局を乳母をつとめた三代将軍・徳川家光は生まれながらにしての将軍とされたが、弟の国松(忠長)との世継争いという巷説もあった。また、そもそも、本当の両親が誰であったのかについても異説があるという。

 番組ではまた、四代将軍の家綱の母、宝樹院(お楽の方)のことも、浅草参りから帰ってきた春日局の目にとまった古着商の娘というように紹介されていた(←正確には、農民(後に下級武士)青木三太郎利長の娘。母は、利長死罪のあと江戸に出て古着商の七沢清宗と再婚、ということらしい)。

 日本史に関しては全くの素人でよく分からないことばかりだが、江戸時代というのは決して士農工商の身分制度が厳格に守られていた時代ではなく、また、男系といっても養子による継承がけっこう頻繁に行われていた模様である。要するに、家の存続と繁栄が第一ということだろう。

 そう言えば、、NHK大河ドラマ「篤姫」の時代にも、いろいろな権力争いがあった。それより10年前の「徳川慶喜」もそうだが、幕末の頃のドラマというのは、激変するいまの世の中と共通点があるせいか面白い。。大河ドラマは視ないことを原則としている私でも、夕食時にチャンネルを合わせた時には、食事が終わっても最後まで視てしまったりすることがある。




留学生30万人案

 5/16朝のNHKオンラインニュース【期間限定】によれば、政府の教育再生懇談会は、福田総理大臣が打ち出した留学生を30万人にまで増やす計画を実現するため、30程度の大学を重点大学に選び、留学生を20%以上にし、英語で行う授業を30%にすることなどを盛り込んだ素案をまとめたという。

 私自身は、昨年以降は留学生関係の委員会には関与しておらず、なぜこの時期に留学生30万人計画が打ち出されてきたのかよく理解していないところがある。いまでも留学生はかなりの比率に上っており、特に私のところでは、こちらの資料や、こちらのサイトにもあるように、かなりの数の留学生が在籍している。もっとも、そのうちかなりの数が中国からの留学生であり、彼らは、第二外国語として日本語を学んでおり、第三外国語の英語はむしろ苦手としている。英語で行う授業を増やすということは、要するに、漢字圏以外の留学生を増やそうという意図か。

 素案ではさらに、「留学生が多い学部などで外国人教員を30%採用することが盛り込まれています。」とあるが、日本の大学で、外国人教員を多数採用し、日本語を使わない授業を行うことが、どういう国益に繋がるのかこれまたよく分からないところがある。日本で教育を受けることは、留学生個人の将来にとっては大きな成果となるに違いないが、それによって、必ずしも、日本に友好的な人たちが増えるというわけでもない。ましていまや、徒弟制のタコツボ教育から課程制教育への転換が求められている時代である。個人的な師弟関係を通して友好関係が醸成されるわけでもあるまい。

 日本語を真剣に学んだ人たちに対して日本語で教育を行い、その成果を母国で活かしてもらうということなら話は分かる。日本語の分からない学生を呼んできて、日本語が分からなくても卒業できるような教育を行いそのまま母国に帰ってもらったところで、知的資産が流出するだけではないかなあ。何だかよくワカランが、ま、そのうち、学内でも、そういう方向を目ざすかどうかという議論が起こってくるに違いない。その時にでも質問してみることにするか。