じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 新大阪駅構内の、うどん屋さん(蕎麦もあり)。このお店のスゴイところは、入口で注文してお金を払い、数メートル先のカウンタに行くと、もう注文品が出来上がっているということである。おそらく、お客の数をある程度予測しておいて事前に湯がいておき、注文の声に合わせて素早く具を乗せているのだと思う。

 なお、この日の夕食は、久しぶりに、岡山駅近くの「丸天」でラーメンを食べた。この「丸天」のほうのスゴイところは、黙って店に入り座っていると、何も言わなくてもラーメン一杯が出てくることである。単品勝負なので、お客のほうが何も言わなければ、来店者1名につきラーメン1杯、それ以外のメニューは無しということだ(←最近ではおにぎりも出しているようだが)。



3月16日(日)

【思ったこと】
_80316(日)[心理]第13回人間行動分析研究会(2)

 昨日の続き。今回の話題提供の1番目は、

●遅延による報酬の価値割引からみた子どものセルフコントロールと衝動性

という実験研究であった。

 このテーマは一口で言えば「待たずに少量を受け取るか、受け取るのを辛抱して、のちにたくさん受け取るか」、もっと大げさに言えば「目先の利益優先か、長期的な視点にたって大きな利益を得ようとするか」というよう選好に関わる問題である。

 行動的立場からはこれは、セルフコントロールの問題、つまり遅延多量強化子と即時少量強化子の選択場面において、どの程度、遅延多量強化子のほうを選好するかという問題として扱われる。いわゆる「衝動性」という概念は、行動的には、即時少量強化子のほうを選好することを言う。

 今回の実験研究は、4歳児と6歳児を対象に、アニメキャラの画像を強化子として、それを見られるまでの遅延時間と枚数のバランスから主観的等価点を求め、年齢群間で「衝動性」に差があるかどうかを検討するというような内容であった。いくつかの遅延条件のもとで主観的等価点を求めることで個体差を検討するという発表は、これまでの行動分析学会の発表でも何度か拝聴したことがあるが、今回は保育園児を対象とし、かつ、強化子としてアニメキャラを用いたというところにユニークな点が見られた。

 私自身の疑問は、アニメキャラの画像が、4歳児と6歳児において、同じ強さや質の強化子であるかどうかということであったが、そのことについては、どちらの年齢でも同じように好まれているというような回答をいただいた。ま、このあたりは、強化子として飴玉を使っても、お金を使っても同じように関係のありそうな問題点である。例えば、被験者がお金持ちの場合と貧乏学生の場合では、同じ1000円の報酬でも強化力(正確には、1000円に対する確立操作)が異なる。お金を受け取るのをどれだけ待てるかというレベルも変わってくるという次第だ。

 もう1つ、これは今回の実験研究とは直接関係ないかもしれないが、何かの画像を見るだけ(自分で所有するわけでもないし、何かと交換できるわけでもない)というのはなぜ強化子になるのだろうか。もしいっぱい見られること自体が強化的であるとするなら、画像処理・作成ソフトなどを使って、好きなキャラの画像をたくさんコピーして表示するというような行動であっても強化されるはずなんだが、そんなことをする子どもはまず居るまいなあ。好きなタレントのポスターを部屋いっぱいに貼りめぐらす人はいるかもしれないが、いくら愛妻家でも、自分の奥さんの写真を天井、壁、床いちめんに貼ろうとはしないだろう。

 次回に続く。