じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 地域生協の担当者から、CO・OPビーフカレー(甘口・中辛・辛口)を購入したことはありませんかという問い合わせがあった。資料によれば、2006年11月下旬頃から2007年11月中旬頃までの製造品は、原料の一部に天洋食品で製造していたボイル牛肉を使用していたことが判明したため、自主回収することになったのだという。

 さっそく、台所のストックをチェックしたところ、2007年7月10日製造の「辛口」が1パック残っていることが分かった。このカレーは、確か10パック程度買った記憶があるが、写真の1パック以外は全部食ってしまったぞ。いまさら有毒物質が検出されたからといって手遅れだ。


2月7日(木)

【思ったこと】
_80207(木)[一般]毒入り食品騒動で思ったこと(1)

 中国から輸入した冷凍ギョウザを食べた家族が有機リン中毒の疑いのある健康被害に遭い、その後、同じ製造会社の冷凍製品からメタミドホスが検出され大きな騒ぎになっている。上の写真にあるように、我が家でも関連製品をすべて食べており、1点が残っていることが分かった。

 このことについては、原因の徹底究明と今後の安全対策が求められていることであるが、初期の報道のあり方や、その後の対応、さらにコープブランド(日本生協連や大学生協)の安全性などについて、いろいろと考えることがある。とりあえず現段階において、
  • 事件発生後の報道のあり方は適切であったか。
  • コープブランドは安全なのか。
の2点について考えてみたいと思う。

 まず、テレビ、新聞、ネット記事ではしばしば使われる「中国製冷凍ギョーザ」という表現の適切性について。

 確かに、中毒の原因となったのが、「中国製」の「冷凍」の「ギョーザ」であることは間違いない。しかし、これはあくまで原因となった食品がそういうカテゴリーに合致していたというだけの事実報道であって、消費者に対して「これを食べたら危険」という情報を流しているわけではない。「中国製の」と言われたからと言って、必ずしも、天洋食品製以外の中国製品一般が日本製や他の外国製品より危険であるとは言えない。また「冷凍の」も、冷凍でなければ安全であるとは一概には言えない。じっさい、上の写真にあるカレーは、冷凍ではなくレトルトパックであった。「ギョーザ」についても同様。

 事件直後には、ギョーザの具の野菜に残留農薬が含まれていたかのような報道もあった。確かに残留農薬や、家畜・養殖などで使われる抗生物質、殺菌剤、保存剤、発色剤、添加物...などは、健康に関わる重大問題ではあるけれども、今回の事件とは直接関係が無さそうだ。この問題への関心を高めるきっかけづくりにはなったかもしれないが、事件の報道としてはかえって混乱を招いた。

 本日2月8日の時点でも、まだまだ問題を感じる表現が多々あるように思う。まず、毒物については、最近のNHKの報道ではもっぱら「殺虫剤の成分が混入」という表現を使っている。いっぽう、朝日新聞そのほかいくつかの民放では「農薬成分」という表現が使われているが、この2つはカテゴリーが異なっている。

 「殺虫剤」というと、もちろん農薬の一部もこれには含まれるけれども、日常生活では、缶に入ったエアゾールや、蚊取線香などを思い浮かべる。いっぽう「農薬」はウィキペディアの当該項目にも記されているように、殺虫剤のほか、殺菌剤、防黴剤(ぼうばいざい)、除草剤、殺鼠剤(さっそざい)、植物成長調整剤(通称植調:植物ホルモン剤など)等を含む概念である。今回の事件が何らかの「食品テロ」であった場合は、これから先、殺虫剤成分でも農薬成分でもない別の毒物が使用される恐れもあり警戒が必要であろう。

 次回に続く。