じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 低気圧の通過により、岡山ではこの冬2度目の積雪となった。積雪量は1月21日朝と同様の2cm[]。29日朝7時現在、岡山周辺の高速道路はすべてチェーン規制。岡山空港でもかなりの積雪があった模様で除雪作業のため、発着に遅れが出ているという。

1/29追記]その後の報道では11年ぶりとなる3cmの積雪を記録したとのこと。


1月28日(月)

【思ったこと】
_80128(月)[教育]常用漢字に鹿や熊が無かったとは!?

 各種報道によれば、常用漢字の見直しを進めている文化審議会の漢字小委員会は28日、都道府県名に使われている11字を新たに常用漢字とする案を、親部会の国語分科会に報告し了承された。新たに加わるのは「岡」、「阪」、「鹿」、「熊」、「茨」、「栃」、「埼」、「梨」、「阜」、「奈」、「媛」の11文字。人名や地名など固有名詞を構成する字は常用漢字に含まないのが原則だが、これらは広く使われ公共性が高いと判断したためであるという。

 私の住んでいる岡山の「岡」が常用漢字に含まれていないというのは意外だったが、もっと意外だったのは、野生動物でも動物園でもおなじみの「鹿」や「熊」が含まれていなかったということであった。今回の見直しは、都道府県名に使われている漢字に関する議論であったようだが、「鹿」や「熊」は別に鹿児島や熊本という表記のためにあるわけではない。果物の「梨」も同様。こういう日常生活用語がなぜ常用とされなかったのか、不思議でならない。

 なお1月10日付けのこちらのニュースによれば【抜粋引用】、
  • 漢字小委員会は今後、新聞などでよく使われる3000〜3500字の候補から2000字程度を新しい常用漢字として絞り込む作業を進めるが、パソコンなど情報機器の普及で日常生活で使われる漢字が増えていることも考慮。使用頻度が高いのに、新常用漢字表に収まりきらない漢字として「準常用漢字(仮称)」の新設も検討するとした。
  • 「読める」「分かる」「書ける」という3要素を常用漢字、準常用漢字共通の条件とするが、常用漢字は情報機器の助けを借りずに「手で書ける」、準常用漢字はパソコンの変換機能など「情報機器を利用して書ける」−ことを基本とするとした。
  • 常用漢字表:法令や公用文書、新聞、放送など一般の社会生活で、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安。昭和56年に1945字が制定され、文化審議会は平成22年の新常用漢字表制定を目指している。
という作業が行われているとのことである。

 上記のうち「読める」「分かる」「書ける」の3要素の件だが、上記の記事でも言及されているように、最近ではパソコンや携帯電話の変換機能を利用して文章を書くことが多くなってきた。かつては手書きで苦労した科研申請書、学生から依頼される推薦書なども、ここ数年は、殆ど、ワープロソフトだけで事足りている。ここ数年、自分の氏名と住所以外の漢字は殆ど書いたことがない。




 そういや、夕食時には時々、各種クイズ番組を視るが、最近では、漢字熟語の「読み」クイズがネタ切れになったせいか、書き取りのクイズが出されることが増えてきたように思う。記憶に残っている問題としては、「挨拶」、「窮屈」など。自慢では無いが、私などは、殆ど正解できない。それでも日常生活上、書き取りができなくても不自由は感じていない。手書きの書き取りは、論述式の試験や、認知症予防には必要かもしれないが、日常生活では必ずしも要らない。「読める」「分かる」「入力できる」ができれば十分であると思う。

 小中学校の漢字教育においても、まずは、「読み」と「分かる」に重点を置き、「書ける」の難易度で学習意欲を損なうことがないような配慮が必要である。日常生活で漢字で表記されている熟語をわざわざ「ひらがな」で表すなどというのは、読みづらいばかりだ。このあたりの議論は、かつて、こちらの論文やその続編で論じたことがある。