じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 昨日も記した通り、1月20日から21日にかけて岡山では2000年2月以来、8年ぶりとなる2cmの積雪があった。写真右は文学部中庭の様子を、2007年4月25日の新緑の季節(写真左)と対照したところ。今回の雪は、低気圧通過によるものであるためシメっぽく、木々の枝にたくさん着雪していた。



1月21日(月)

【ちょっと思ったこと】

海底トンネルでの健康増進活動

 1月22日朝のNHKおはよう日本によれば、関門人道トンネルで毎日、ウォーキングやジョギングを楽しむ人たちが増えているという。番組でも伝えられていたように、トンネルの中は一年中温度がほぼ一定に保たれ、また、雨の日も風の日もその影響を受けずに運動することができる。日焼けの心配も無い。

 多少気になったのは、空気の汚れ具合である。それなりの換気はできていると思うが、どの程度まで清浄化できているのだろうか。都心の車道沿いのジョギングコースに比べればマシかもしれないし、花粉症の人にも好都合かもしれない。


【思ったこと】
_80121(月)[教育]平成20年度センター試験(3)監督者のミスを防ぐには

 毎年、センター試験関連ニュースとして大々的に報じられるのが監督者側の不手際である。今回の試験では
  1. 試験監督者が公民の試験で受験生に解答用紙への氏名記入を指示しなかったことが分かった。
  2. リスニング終了の約15分前、実施されていた16教室の電気が一斉に消えた(5〜10秒程度)。
  3. リスニングの最中、受験生が持っていた携帯電話の着信メロディーが約30秒間鳴り続けた。
  4. 監督者が誤ってリスニングテストを30秒早く終了宣言した。
 上記の中で特に注目されたのは、3.の携帯着信音ではないかと思う。1/21の朝日新聞記事では、この着メロが、ロックバンド「175R(イナゴライダー)」の着信メロディーであるというような詳細な記述があった。この事故の原因については、
監督者は開始前、全受験生の携帯を机上に出させ電源を切るよう指示したが、この受験生は宿泊先に置いてきたと思い、何もしなかったという。
であったとされている。もっとも「思い込み」は誰にでもありがちなことである。「携帯電話を持参している人は机上に出して電源を切ってください」の代わりに、「まず、カバンやポケットの中をよく見て、携帯電話や腕時計など、音が出る恐れのあるものがないかどうか、点検してください。あった場合は、それら全部を一度、机の上に置いてください」と指示すれば、防げたかもしれない。この種の指示の徹底は、マニュアルでも認められていたはずだ。また、電源の切り方や時計アラームの解除の仕方が分からない場合は、試験終了まで試験室の外で預かります」ということも指示事項にあったはずである。

 このほか、1.や4.は、監督者のミスであり、注意力散漫としか言いようがない。もっとも、どのような試験会場であっても、監督は2名以上配置されているはず。監督者相互できっちりチェック態勢を取っていれば、大半のミスは避けられるはずである。

 リスニングテストについては、相変わらず、ICプレーヤーを一方的に悪者扱いしている記事が目に付く。そのうち、徳島新聞の1月20日11時06分発信記事には
 「まさか自分が…」。十九日に行われた大学入試センター試験の英語リスニングで、徳島県内の三人を含む全国の受験生百七十五人が再テストとなった。ICプレーヤーの故障などで過去二年に多くの再テスト者を出したにもかかわらず、繰り返されたトラブルに受験生からは怒りと失望の声が上がった。
として、ご丁寧に「不具合が起きたのと同型のICプレーヤー」という写真まで載せているが、1月19日の日記にも記したように、昨年度のリスニングテストで発生したトラブルは不具合の申し出があった406台中、IC不良は6件、イヤホン不良2件、機器の使用環境に起因するものは17件にとどまっており、「ICプレーヤーの故障などで」という報道は誤解もしくは曲解と言わざるを得ない。

 1月19日の日記にも引用したように、私は従来より、
リスニングテストのトラブルを限りなくゼロに近づけるための努力については、技術水準の高さを統制のとれた組織力両面において大いに評価すべきであり、失敗ばかりをあげつらって自虐的に報道すべきではない。
と、繰り返し主張している。もっとも、上記のうち「技術水準の高さ」は事故発生件数と事後の機器検査で実証されているとは思うが、「統制のとれた組織力」が本当にあるのかどうかは確信できていない。じっさい、リスニングテストの大半の会場は、何事もなく無事に試験を終了しているが、もし、機器のトラブルが多発していたら、監督者や補助監督者が適確に対処できていたかどうかは、何とも言えない。

 実際に受験された方ならご存じだと思うが、リスニングテストは通常、2名以上の監督者のほかに1名の補助監督者、合計3名以上で実施にあたることが定められている。しかし、もし、同じ会場内で、解答開始後に4名もの受験生が次々と不具合を訴えたとしたら、再開テストをするかどうか、何問目からテストを再開するかといった事態に、個別に対処することは不可能である。過去のリスニングテストが大規模なトラブルなしに実施できているのは、

●機器不具合のトラブルは、大半の会場でゼロ、起こってもせいぜい1件。

という極めて小さな事故確率が維持されてきたからである。