じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 岡山大学構内の紅葉情報の第26回目は、岡大七不思議(←長谷川が勝手に選定)の1つ「落ちないイチョウ」の今年の様子。例年、他のイチョウたちよりも一週間ほど遅れて黄葉し、他のイチョウたちがすっかり落葉したあともたっぷり葉を残すことで知られている...と言いたいところだが、今年はこの樹の黄葉と落葉が例年より早く、12月17日現在では、他の樹とそれほど変わらない状態になってしまった。写真左側がその変遷。昨年12月14日の様子がこちらにあり。

 なお、この樹より西側に、二代目「落ちないイチョウ」が出現した。写真右側がその変遷。写真右上の中の赤い矢印は、元祖「落ちないイチョウ」の位置を示す。


12月17日(月)

【ちょっと思ったこと】

平均余命

 各種報道によれば、厚生労働省は17日、「2005年都道府県別生命表」を発表した。

 報道ではもっぱら、「平均寿命トップ、男性は長野79.84歳・女性は沖縄86.88歳」というように都道府県別のランキングのことが話題にされているが、特段の疫学的原因が無い限り、ランキング上位の県に引っ越したから長生きできるというわけでもあるまい。もちろん、平均値的に見れば、生活習慣病にかかりやすい食習慣が多いかどうか、気温の変動が多いかどうか、医療設備が充実しているか、その地域に特有の伝染病や発ガン性物質があるか、などは、多少の影響を及ぼすとは思うが。

 むしろ気になるのが、私自身に関係する平均余命であるが、厚労省の当該資料によると、40歳男性でおおむね40年、65歳男性で18年程度となっており、私の場合は概算であと25〜28年ほど生き延びることができる模様である。

 もっとも、平均余命の期間、ずっとピンピン動き回れるわけではない。むしろ求められるのは、
  • あと何年くらい、標高5000m以上の山に登れるのか
  • あと何年くらい、海外トレッキングに参加できるか
  • あと何年くらい、自立した生活ができるか(←日常生活の大部分は妻の厄介になっているので、今の状態でも決して自立しているとは言い難いけれど...
  • あと何年くらい、ネットを利用できるか
  • あと何年くらい、自分の歯で食べられるか
  • あと何年くらい、車の運転ができるか
  • あと何年くらい、目が見えるか
  • あと何年くらい、耳が聞こえるか
といった、それぞれの機能についての個別の情報である。

 ま、個体差もあるし、偶発的な事故や、思いがけないような病気で、それ以後の機能が永久に失われるということもありうるわけで、その時はその時で諦めるほかはないが、できるうちにできることはやっておきたいと思っている。

【思ったこと】
_71217(月)[教育]学士教育課程のコンセプト(11)実質化と「国際・英語学部」というチャレンジ(2)

 講演では、次に「四六答申」について言及された。「四六」とは昭和46年、西暦1971年のことであり、実は私が大学に入学した年でもあった。Googleで「四六答申 大学教育」という検索語を入れると551件がヒットするが(12月18日朝現在)、演者によれば、これは名答申であったそうだ。しかし、実際には政策には反映しなかった。いや、私自身、そのころまさに大学生であったので、何か変化があれば体感できる環境にあったはずなのだが、当時の社会情勢の中では、この答申は効力を発揮することができなかった。ちなみに、大学の教育は全く変わらなかったが、大学生の「気質」は1980年代、1990年代に至るにつれて大きく変化していったという実感がある。




 講演前半ではもう1つ、学士力についての言及があった。演者によれば、学士力は
  1. 知識・理解
  2. 汎用的技能
  3. 知的(姿勢)態度の形成
  4. 思想の形成(市民としての社会的責任)
  5. 価値志向・行動の変容
に集約できる。ここで重要なことは、情報のインプトだけではダメで、体験知を形成していくことであるという。初年次教育ではしばしば、汎用技能獲得のために
  • コミニュケーションスキル
  • 数量的スキル
  • 情報リテラシー
  • 論理的思考力
  • 問題解決力
を伸ばすための具体的授業が実施されているが、学士力の全体像から見れば、これはごく一部にすぎない。汎用技能獲得だけをもって教養教育と称するわけにいかないのは当然であろう。もっとも、「市民としての社会的責任」を培う教育ということになると、果たして大学教育だけでそれを担えるのかという問題がある。


 次回に続く。