じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 絵日記の2ページ目(1958年7月22日)には、家の中で「すごろく」で遊んだ絵が描かれてあった。
ぼくはまけるときがなくてぼくはづるをしてしまいました。でもくちにだしていわなかったのです。
と記されており、「ズル」を告白した最初の日記ということになる。但し告白は日記上だけとどまっており、口に出しては言わなかった模様。



10月30日(火)

【ちょっと思ったこと】

久しぶりのホームズ彗星

10月28日の早朝と夕刻に眺めたあと、ずっと曇りや雨が続いていたが、31日の早朝になって久しぶりにホームズ彗星を肉眼と双眼鏡で眺めることができた。

 明るさはやや暗くなり、3等星前後かと思われる。肉眼では、ややにじんだ、面積を持った星として見えるので、大体の位置を知っていればすぐにそれを分かる異様さである。

 双眼鏡では、中心部分と周辺部の明るさの違いが分かるようになってきた。

【思ったこと】
_71029(月)[心理]日本心理学会第71回大会(37) 日本人は集団主義的か?(2)

 シンポではまず、企画者の高野氏より、企画趣旨説明と1番目の話題提供があった。それによれば、今回のシンポは、

●「日本人は集団主義的」という通説の妥当性を検証する

ことを目的とするものであり、過去にすでに、心理学的、言語学的観点から、通説を否定する内容のシンポが行われており、今回は、経済学的観点からの考えるという趣旨であるとのことだった。経済学的観点というのは、日本人がとかく、職場の人間関係を重視し、会社の上司や系列企業の意向に気を配りながら行動する傾向があり、欧米人から異質な文化として取り上げられる傾向があった。映画の中でもそれを象徴するシーンが含まれていることがあるという。それを打破し、実は、日本企業では、(現在はもちろん過去のにおいても)必ずしも終身雇用や年功序列は無かったという事例を示すことが今回の狙いであったようだ。




 高野氏の話題提供ではまず、「日本人=集団主義」という通説が、誰によって主張・流布されていったのかが概観された。

 まず、「集団主義vs個人主義」の定義だが、スライドでは
  • 集団主義:個人より集団を優先
  • 個人主義:集団より個人を優先
というように示されていた。もっともこれだけでは、「利己主義vs利他主義」と区別がつかない。「集団主義」は、必ずしも個人より集団の利益を優先するというわけではなく、むしろ、周囲との関係性の中で自分を位置づけるとか、「空気を読む」能力を重視するといった意味にも通じるところがあると思う。スライドでなぜ「優先」という概念が出てきたのかは、よく分からなかった。

 スライドでは、代表的な日本人論として、『菊と刀」(ベネディクト)、『日本の経営』(アベグレン)、『タテ社会の人間関係』(中根千枝)、『「甘え」の構造』(土居健郎)』、「人と人の間−−精神病理学的日本論』(木村敏)、『日本人−−ユニークさの源泉』(クラーク)、『ジャパン・アズ・ナンバーワン』(ヴォーゲル)といった著作が紹介されていた。もっとも、最近では、かなり違った見方をする社会学者も出ており、成果主義や競争的環境のもとで、「集団主義」という通説がどこまで受け入れられているのかは少々疑問である。すでに通説自体が古文書化してしまったとすると、高野氏の問題提起そのものが意味をなさなくなってしまう恐れもある。


 次回に続く。