じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 55歳の誕生月であることを記念して、50年前の5歳の時の写真を掲載してきたが、1957年(昭和32年)の写真は前回でネタがつきたため、今回から1958年撮影分の掲載となる。1回目は1958年1月5日に二子玉川園で撮影した「二見浦」の写真。

 二見浦は、今年の9月に訪れたことがあった。生まれて初めてであったはずなのに「以前どこかで見たことがある」と感じたのは、たぶん、この二子玉川で見た「二見浦」の影響であろう。

 余談だが、この9月の1泊旅行の際には、赤福本店で、いま話題の赤福餅を賞味した。



10月19日(金)

【思ったこと】
_71019(金)[心理]日本心理学会第71回大会(28)エビデンスにもとづく臨床(6)

 伊藤氏は、労働安全衛生をとりまく昨今の情勢を概観されたあと、認知行動療法(CBT)の特徴を挙げ、なぜそれが職場のメンタルヘルスに有用であるかについて論じられた。

 CBTの1つの特徴は、環境と個人の関わりを重視する点にある。認知と行動の悪循環から脱出するためには、自らによるさまざまな工夫や選択が可能であるが、その際、もし「「環境」調整が可能なら、まずそれを優先する」のだという。この発想は非常に大切であると思う。2007年7月24日付けの日記でも指摘したことがあるが、例えば、自然災害時には、長期の避難所生活により心身面でさまざまな悪影響が出てくる。そのさい行政側はしばしば、医療関係者や心理士などを派遣することで改善をはかろうとするが、一番大切なことは、「まずは環境改善」なのである。職場のメンタルヘルスでも同じことが言える。現場の環境も見ずに、職場とは全く別のところにある相談所で「悩み相談」などを受け付けてどうして問題解決がはかれるというのだろうか。社会や環境に起因する問題を「こころ」の内面の問題として封じ込めてしまうような「こころ主義」は断固として克服していかなければならないと思う。

 もちろん、うつ病などが重症化した時には専門家の治療にゆだねるほかはないが、職場のメンタルヘルスでは
  • うつ病、不安障害の再発予防
  • 一般健常御者のストレスマネジメント増強
  • 専門家による“濃厚”な治療的CBTではなく、ワークブックや研修主体の自助的CBT
に力点が置かれるという。このあたりの御指摘にも大いに同感だ。5月16日付け日記でも述べたことがあるが、
仕事上のストレスによるうつ病などで精神障害になり、2006年度に労災認定を受けた人は、前年度の1.6倍の205人に急増し、同じく過去最多になったという。
というような新聞記事は、受け止め方によっては

●これだけ多くの人たちが長時間働いているにもかかわらず、過労が原因で病気になる人の割合は、意外に少ない。交通事故に遭うリスクのほうが遙かに高い。

というようにも読めてしまう。もちろん、従業員全員に対するストレス対策を漏れなく徹底することは大切だとは思うが、
  • 長時間労働が深刻化している実態が浮き彫りとなっています。(NHK)
  • 厚労省は、長時間労働や成果主義の浸透などが主な原因とみており、景気回復の足元で労働者の健康がむしばまれている実態が浮き彫りになった。(アサヒコム)
などという画一的な批判ばかり繰り返しても何も改善されないのである。また、仕事の性質上、いくら環境を改善してもストレスを100%除去することは不可能という職場もある。この場合は、やはり、個々人のストレスマネジメント増強をはかることのほうが遙かに生産的である。


 次回に続く。