じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 昭和30年代のアルバム、復活第二弾は、幼稚園入園式(1957年4月撮影)。但し、肖像権に配慮して、私以外のお顔はすべてボカしてある。なお、この幼稚園があった場所は、現在は世田谷図書館になっており、10年ほど前に立ち寄った時は、まだ、敷地の周囲の塀などに当時の面影があった。私が卒園した幼稚園と同じ名前の幼稚園は現在も世田谷区内にあるが、場所は離れており、そこに移転したのか、たまたま同名であったのかは確認できていない。


10月2日(火)

【思ったこと】
_71002(火)[心理]日本心理学会第71回大会(13)環境保護行動を促す説得的コミュニケーション(4)

●Using persuasive communications to protect the environment環境保護行動を促す説得的コミュニケーション

という招待講演の感想の4回目。昨日の日記で、チャルディーニ氏の講演内容について3つほど疑問を挙げさせていただいた。
  1. 広告メッセージの信頼性。
  2. 少数の違反者にどう対処するか。
  3. 説得されただけで行動するとは限らないし、ましてそれが持続するという保証はない。
 本日は、このうちの2.について考えを述べることにしたい。




 さて、今回の講演は「環境保護行動を促す」という内容であったが、これには
  • (a)できるだけ多くの人が協力、実践することで達成
  • (b)少数の悪質違反者にどう対処するか
という2つのタイプがあるように思う。

 今回の講演で取り上げられた内容のうち、ゴミの分別やタオル再利用は(a)のタイプであり、これらはチャルディーニ氏が論じられたような形で改善することで、ある程度の効果が上げられると思う。

 しかし、講演の冒頭で取り上げられたゴミのポイ捨てなどは、どちらかと言えば、少数の悪質な違反者が犯人となっている。こういう不心得者は、公共広告や注意書きなどにはおそらく関心を示さない。このWeb日記でも、2003年5月5日や、2006年8月3日に、これに関連する話題を取り上げたことがあるが、最近でも相変わらず、ゴミ収集が終わった日の夜から生ゴミを出したり、収集対象となっていない不燃ゴミを投棄する不心得者が後を絶たない。とはいえ、それらは住民1000人あたり数人程度の少数派であり、通常の説得的コミュニケーションが通用しない不心得者たちである。道路脇などに平気でゴミをポイ捨てする者はさらに少数(←但し、タバコ吸い殻のポイ捨てはかなりの数にのぼるようだ)。環境保護のためにはこういうケースをどう防ぐか、ということのほうがむしろ問題になる。




 これは昨日の補足の疑問になるが、

●多くの人たち(=高比率)に協力いただいています

というメッセージと、

●現在は少数だが、協力してくれる人が大幅に増えています

というように増加著しいことを強調する場合で、どちらが効果的であるのか、もう少し調べる必要があるように思った。ファッションの世界などでは、「多くの人に人気がある」とアピールするよりも、「最近、こういう人たちが増えている」とか「こういうことに新たな注目が集まっている」とアピールしたほうが、「新しもの好き」屋さんには効果があるはずだ。

 それと、「みんながしていますよ」と言われて同調するかどうかは、ある程度、国民性にも依存するように思われる。「乗客にすぐに海に飛び込んで避難してもらうために、船長はそれぞれに何と言うか」というようなジョークでは、「みんな飛び込んでいますよ」と言われて同調するのは日本人だと言われている。あれはあれでかなり偏見が多いとしても、民族や文化による差違は少なからずあるはず。某イスラム圏を旅行した時に、あまりにもゴミのポイ捨てが多いのでガイドに理由を訊いたら、「コーランには、ゴミをポイ捨てするなとは書いていないから」という答えが返ってきたことがあった。あれは冗談のつもりであったかもしれないが、ともかく、イスラム圏では、チャルディーニ氏が紹介したスタイルの公共広告よりは、宗教とリンクして環境保護を訴えたほうがより効果があるようにも思えた。


 次回に続く。