じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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[今日の写真]
 岡山大学の新しいマークが制定された(写真左参照)。岡山の「O」と大学の「D」を組み合わせた図案であり、シンプルでよろしいかと思うが、私のようにOD(オーバードクター、但し奨励研究員や特別研究員の身分にあった期間あり)を6年間も過ごした者にとっては、その頃のツライ生活を思い出させる2文字でもある。


 さて、4月9日には入学式のほか、2年次、3年次および大学院生向けの新年度ガイダンスが行われることになっている。この新マークをネタに、「O」の部分を「教わる」、「D」の部分を「学ぶ」エリアに見立てて、以下のような挨拶をしようかと考えている。

[図]
 「O」の部分と「D」の部分の重なりが、「教わって学んだ」部分。「O」のうち、重なっていない部分は、左の耳から右の耳に通り抜けただけで身に付かなかった部分。また、「D」のエリアのうち「O」と重なっていない部分は、授業で教わるのではなくみずから主体的に学んだ部分である。要するに、右端の図のように、大学では、「O」のエリアのうち「D」と重なる部分の比率を高めるよう努力するばかりでなく、「O」と重ならない「D」の部分をできるだけ増やしてほしいということ。



4月8日(日)

【思ったこと】
_70408(日)[教育]第13回大学教育研究フォーラム(2)鈴木敏之氏の小講演(2)経済財政諮問会議/大学全入時代への対応


 3月27日の午前中に行われた、鈴木敏之氏(文部科学省高等教育局・企画官)の

●学士課程教育の改革とFD 

という小講演の感想の2回目。

 講演の後半ではまず、経済財政諮問会議の伊吹文部科学大臣(臨時委員)提出資料「大学・大学院改革への取り組み」(H19.2.27)について説明があった。なお、この小講演が行われた27日の夕刻には、大田大臣 経済財政諮問会議後記者会見も行われている。賛否両論があるところだが、好むと好まざるに関わらず、昨今の大学改革の方向は、この諮問会議に引きずられている面が大きい。 なお、今後は、教育再生会議においても、高等教育の問題が検討される見込みである。

 いわゆる2007年問題の1つとして、大学全入時代(大学募集人数総数が入学希望者数総数を上回り、えり好みをしなければ必ず大学に入れる状態のこと)が口にされてきたところであるが、今回の鈴木氏の講演によれば、どうやら、現時点ではまだ「全入」には至っておらず、「近い将来ほぼ100%に」というように見通しが修正された模様である。主たる原因は、大学への志願者数が予想以上に増加したためであるようだ。

 いずれにせよ、近い将来の全入時代を見通しつつ
  • 学生の多様化と対応の困難性:48%の学生は、学外での勉強時間が殆どゼロ(2000年内閣府調査)
  • 資格取得偏重。教養教育後退。成績評価や卒業認定の甘さ。
  • 教員の教育力をめぐる問題。教員に「わかりやすい講義を行う能力」を望む学生の割合が75%(1999年広島大調査)
といった点について、FDの組織的取組の必要がますます高まってきた。

 なお、教養教育の充実に関しては、リベラルアーツについての優れた実践に対する新たな財政支援策が検討されているとのことであった。また、すでに一部では着手されているが、今後は、大学院におけるFDが強く求められている。

次回に続く。