じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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[今日の写真]

 2月19日(写真左)と20日(写真右)の月と金星。20日21日の月齢は2.8で、ほぼ「三日月」にあたる。また19日〜20日頃に、月がちょうど天の赤道を通過するので、ほぼ真西に沈む。


2月20日(火)

【ちょっと思ったこと】

さそり座の肉眼新星その後

 昨日の日記で取り上げたさそり座の肉眼新星をしっかり見ようと思い、双眼鏡を取り出してきて20日の朝5時頃に観察した。こちらの星図を見ると、さそり座のε星の左上あたりに、凧形にならんだ4つの星があり、凧の頂点にあたる星がどうやら新星であるようだ。さそり座はこれから夏にかけてずっと見られるので、この星の明るさの変化に注目していきたいと思う。

 なおこちらのニュースによれば、くじら座の変光星ミラが今いちばん明るくなっているらしい。ミラのほうは夕刻の西空にあり、↑の写真を撮った時も実は見えていたはずなんだがそのことに気づかなかった。21日以降に観察してみようと思っている。




大学入試その後

 各種報道によれば、今月25日から始まる国公立大学の2次試験の最終的な志願倍率が確定した。文科省によれば、平均の志願倍率は国立大学が4.5倍、公立大学が6.3倍、国公立大学全体では4.8倍で過去最低だった去年の5倍を下回り、平成2年に大学入試センター試験が始まってから最も低くなったという。

 ところでいくつかの国立大学では、前期試験日の前に、センター試験成績に基づく第1段階選抜が行われている。個別試験も受けさせないうちから門前払いというのは非情であるような気もするが、二段階選抜には2つの目的があるように思う。1つは、論述式問題の多い個別試験で、採点を公正に行うため。答案数が多いと、採点者の負担が過重になり、採点ミスや異なる採点者間の不公平が起こる恐れがあるので、あらかじめ答案を一定数以内におさえておく必要がある。もう1つの目的は、第一段階で一定水準以上の基礎学力があることをチェックした上で、得意科目のみで勝負させるという目的。「900点満点中630点以上の者を第1段階選抜合格者とする」と定めた京大理学部などは、この目的を持っているものと思われる。

 今回の二段階選抜実施大学のうち東大の結果は、Z会のサイトで詳しく分析されている。一次選抜をクリアするためには、センター試験得点率77〜83%以上であることが求められているようだ。

 また、京大の第一段階選抜合格者数はこちらに公開されている。比較的低倍率であったため、第一段階選抜を実施しなかった学部も多い。そのなかで若干気になったのは、総合人間学部文系で1名のみが一次選抜不合格となっていること。予定倍率を超えていないので、何らかの別の原因で不合格にされたものと思われるが、大いに謎である。センター試験の受験科目を間違えたためだろうか。また、理学部で812名の志願者のうち16名が一次選抜不合格になっていることも気になる。センター試験の結果は自己採点でほぼ正確に知ることができるはずであり、得点率70%に達していない人はわざわざ受験料を払って出願しても門前払いをくうだけだと思うのだが、どこでミスがあったのだろうか。

 いっぽう私立大の出願倍率については、代ゼミのサイトの中ですでに、第一号が公開されている。大学別のデータをざっと拝見して思ったのは、やはり、「人気の二極化、地域の二極化」が進んでいるということだ。一部の大学・学部では、倍率が2倍未満、時には1倍を割っているところがある。たいがいの受験生は複数の大学を併願しているので、全員合格させてもごく一部しか入学してくれない。具体名は避けるが、気の毒になるほど深刻なところもあった(←というか、本当に深刻な大学は、今回の代ゼミのリストにも載っていないだろう)。

 あくまで主観だが、カリキュラム改革に熱心に取り組んでいる大学ではかなりの数の出願者がある一方、各種のFDセミナーなので、「人事評価を徹底的に実施しているモデル大学」として紹介されたところは、必ずしも受験生を集めていないように見受けられた。確かに、受験生の目から見れば、まずは大学自体のブランド重視ということになるのだろう。入学後ならともかく、少なくとも受験段階においては、出願先大学の教員個々人がどういう研究業績をあげているか、どれだけ熱心に教育活動に取り組んでいるのかということまでは考慮に入れる余裕がないものと見受けられる。