じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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[今日の写真]
大学構内、座主川沿いの遊歩道。サザンカは一斉に花をつけるため、一輪一輪の有り難みに欠けるという欠点がある。この写真のような、ポツンと咲いている景色の方が好きだ。



11月28日(火)

【ちょっと思ったこと】

シニアライフ、あなたの住まいは

月曜、火曜と2日間連続で、車を運転しながら、NHKラジオのラジオほっとタイムいきいきホットライン:シニアライフ、あなたの住まいはという放送を聴いた。

 月曜日は渡辺淳一さん(作家)の出演。
  • 女性の方が歳を取るほどアクティブで末広がりの生き方を好む
  • シニアの女性が集まって食事をすると賑やかになるが、男同士の場合は、ただ黙々と食事を終える
  • 定年後に都会ではなく農村暮らしを好む男性が多いが、最近は便利な都会を好む傾向も出ている
というような内容であったと記憶している(←長谷川の記憶のため不確か)。

 火曜日は池田敏史子さん(NPO法人「シニアライフ情報センター」事務局長)の出演。ごく一部しか聴いていないが
  • 「とわの住み家」ではなく、加齢に伴った住み替えという発想。介護法により、これがやりやすくなった。
  • 女性の場合、子育てより老後の年数のほうが長い。
  • 高齢になった時に管理できるスペースは概ね40平米ちょっと。夫婦の場合はいくらか広い。
といった内容であったと記憶している(←長谷川の記憶のため不確か)。

 私自身もそろそろ老後の生活設計を立てていかなければならない時期に来ているが、今回拝聴したお話には同感できる部分も多い。

 かつては私も、「老後は郊外の広々とした一戸建て住宅で、家庭菜園や庭いじりを楽しみたい」という考えを持っていたが、だんだんとそれは幻想に過ぎないことが分かってきた。むしろ、高層マンションの最上階で、サボテンや多肉植物でも育てながら(←いちばんのメリットは、長期間不在にしても水やりの必要が無いこと)、からだが丈夫なうちは、国内外の保養居に出かけて長期ステイを楽しむといった生活をするほうがのんびりできるのではないか、というように考えが変わってきた。一戸建てというのはメンテが煩わしいし、庭が広ければ広い分、草取りや剪定などの雑用に時間をとられることになる。それと何と言っても、防犯上の不安がある。

【思ったこと】
_61128(火)[教育]大学教育改革プログラム合同フォーラム(15)特色GP・現代GPの意義・実績と今後の展望(3)大学教育改革プログラムの取組を大学がどの様に活用できるか、活用すべきか

 11月13日(月)の10時15分から11時45分まで開催されたパネルディスカッションについての参加感想の続き。

 2番目に登場されたHn氏(私立大学長)のご発言:

●大学教育改革プログラムの取組を大学がどの様に活用できるか、活用すべきか

はなかなか示唆に富む内容であった。

 Hn氏は、まず、中教審の描く多機能並列的な大学像(世界的研究・教育拠点、高度専門職業人養成、...など)が一律には論じられないということを指摘された。

 次に、大学教育の評価尺度として、従来の定量的尺度(入学偏差値、中退率、合格率、...など)から、定性的要素を含むOutcome-Assessmentが主流になるのは必然であると指摘された。Hn氏によれば、オーストラリアでは「Attribute of Graduate」、英国では「Benchmark」、、米国では「(Leraning) Outcome」というように、多様化した大学自身が能動的なOutcome評価を発信しているのに対して、日本ではまだまだ受身的評価が中心になっている。またLeaning Outcomeの評価においては、P(目標)-D(活動)-C(評価C)-A(改善)のサイクルの中で、Needs Process Outcomestoiuという評価プランを重視し、PとDの間にM(尺度)を入れることが必要であると強調された。

 ちなみに、最近では日本の大学でもアドミッション・ポリシーが明示されるようになっていはいるが、いずれも抽象的。上記の「Attribute of Graduate」などは、卒業時に何を身につけるのかを約束する内容になっているという。「当たり前」は禁句。




 ところで、特色GPや現代GPは、年度を追って定着、拡大しているかどうかと言えば必ずしもそうではないようだ。Hn氏は、2つのGPの応募数が急減したことは何を意味するのか、について
  • インセンティブ値崩れ(Incentive)説
  • 改革息切れ(Motivation)説
  • 労多くして実り少ない(Cost-Reword)説
を紹介され、改革効果が持続しないと、これまでの政策効果自体が活かされないと指摘された。なお、「激減」の根拠であるが、特色GPの場合は、平成15年度から18年度までの応募数が、664→534→410→331、また採択数は80→58→47→48というように減っていることは確かだ。但し、新規採択分と継続分、他の支援プログラムの導入なども影響しているはずなので、この数字だけからは「激減」とは言えないようにも思える。また現代GPのほうは平成16年度から18年度までで、応募数559→509→565 、採択数86→84→112となっており、ほぼ横ばいであるようにも思えた。




 ご発言の終わりのほうでは「ペダゴジーの選択可能性」というようなことを言われたが、pedagogyが「教育学」や「教授法」という意味であることは知っているものの、ご趣旨がよく分からなかった。「どういう教授法を選ぶか」という意味で使われたのだろうか。

 最後にまとめとして
  • 競争的配分における定性的評価や多元的な基準の必要生。
  • 現代GPがどれだけ有効に普及したのかを検証するための特色型GPの必要性
  • GP型の評価尺度としての定着化の推進
などが指摘された。





 Hn氏も指摘されていたが、理工系や研究と比べると人文社会科学系教育への評価はきわめて低調。しかし、大卒の55%は人文社会科学系であるという。これらの学問・教育領域が定量的評価になじみにくいことは確かだが、だからこそ多元的な基準や定性的評価が求められるのではないかと思う。

 次回に続く。