じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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[今日の写真]
11月10日の日記で予告したように、11月15日は、生協キャンペーンの一環として、「おでん全品 30円」セールが開催された。

 いつもは家に戻って残り物で昼食をとることが多いが、この日は少しでも家計の足しになればと食堂を利用。写真に示す通り、この日のメニューは、おでん10品(30円×10)、Mライス(90円)、山芋・昆布のサラダ(100園)、消費税込みで514円となった。昨年の同企画日のメニューはこちら。今年は食べ過ぎか。


11月15日(水)

【思ったこと】
_61115(水)[教育]大学教育改革プログラム合同フォーラム(4)特色ある教育を受けられる大学と行列のできるラーメン屋の違い

 フォーラムの2日目朝には、

●『特色GP・現代GPの意義・実績と今後の展望

というパネルディスカッションが開催された。そのなかで、パネルストのお一人、R社カレッジマネジメント編集室のN氏は、GPの学内外への影響について話題提供された。興味深いのは、GPに採択されたかどうかということは、受験生には殆ど殆ど影響を与えていないという御指摘であった。

 この原因としては
  • 受験生に対して、GPの意味や目的が必ずしも浸透していない。
  • 受験生にとっては、出口、つまり卒業後の進路のほうが関心がある。
  • GP採択といっても、その大学のごく一部についての取組であって、必ずしも大学全体が改革されているわけではない。(「我が大学はGPに採択された」というだけでは誇大広告の恐れあり)
などが挙げられるかと思うが、私はもっと根本的なところに問題があるように思っている。それは、大学教育改革というのはあくまで、大学に入った後の学生のことを考えた改革なのであって、大学に入る前の受験生の立場は全く考えていないということだ。すべての受験生が大学を自由に選べる立場にあるならば、特色ある教育を実施しているかどうかは志望校選択の重要な手がかりになるであろう。しかし、現実は違う。ヘタにGPなど採択されて受験者が殺到してしまったら、その大学の難易度が高まるだけのことだ。要するに

行列のできるラーメン屋さんの場合は、並んでいればいつかはラーメンを食べられる。しかし、大学は、人気が出れば出るほど合格しにくくなる。長時間並んでいればいつかは食べられる(=入れる)というわけにはいかない。

ということだ。




 すべての大学が熱心に教育課程や教育方法の改善に取り組むためには自由な競争が必要であろう。しかしこの場合の「自由」とは、大学の都合や大学関係者のための自由ではない。合格できた大学を自由に選べるという機会を受験生に与えてこそ、真の自由競争が実現するのである。もちろん、受験生側もちゃんと勉強することが前提ではあるが、現在の入試制度は、「努力の質と量に応じて好きな大学が選べる」という現状にはなっていないように思われる。いくつか問題点を挙げてみるに、
  1. 国公立大と私立大の学費の違い。すぐれた教育を行っている私立大があったとしても、経済的事情により国公立大しか選べない家庭もある。
  2. 前後期試験による制限。受験生は、まず前期日程で1校にチャレンジする。合格が決まった時はそこに入るか、もしくは、入学の権利を放棄して後期日程の1校にチャレンジするほかはない。つまり、最大で2校しか志望校選択の権利が与えられていないのである。
  3. 私立大の場合は、入試の日程が重ならなければ何校でも受験できる。しかし、いったん合格が決まると、所定の期日までに入学金やその他の諸経費を納入しなければならない。入学金は通常20万から40万円程度、私立医大では100万円以上というところも少なくない。最近は文科省の指導や判例を受けて、3月下旬までに入学取り消しを申し出た場合は、諸経費分を返金するような仕組みを保証している大学が多いが、そうはいっても、入学金は戻ってこない。ということで、受験生は、合格した1校に入学するか、その権利を放棄して、不合格のリスクを背負って別の大学にチャレンジするかという決断を迫られる現実にある。
 ではどうすれば、「自由な競争」が保証されるだろうか。次回は私なりのアイデアを披露させていただくことにしたい。