じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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[今日の写真]
11月13日は、ランドマークタワーのスカイカフェでハヤシライスとコーヒーのセットで昼食をとった。12時過ぎであったにもかかわらず、展望フロアはがら空き。富士山が見えて感激。


11月12日(日)

【ちょっと思ったこと】

東横線桜木町駅は存在しなかった

 下記の合同フォーラム参加のため、横浜市の「パシフィコ横浜」へ。横浜市と言えば人口規模では日本第2位の大都市であるが、これまで学会年次大会等の会場にならなかったこともあって、横浜駅近辺は長らく訪れたことが無かった。たぶん35年ぶりぐらいになるかと思う。

 世田谷で生まれ育った私にとって、横浜に行くと言えば東横線。渋谷発桜木町行きの急行に乗ればいいやと思っていたのだが、切符売り場に行ってびっくり。なっなんと、東横線の終着駅は別の駅になっているではないか(※終着駅は横浜駅で、そこから別会社の線に乗り入れという形になっているようだ)。。

 それと、横浜の港と言えば、山下公園と氷川丸くらいしか記憶に残っていなかったが、高層ビルがいっぱい建てられていてまるで別の国に来たような気分になった。

 旅行好きの私は、主として学生・大学院生時代に日本全国をくまなく回り、富山県と栃木県以外のすべての都道府県に宿泊した経験を持っているが、その後継続的に訪れている所は殆ど無い。もしいま、20年〜30年ぶりに全国の各都市や各観光地をまわったとしたら、それらはみな初めて訪れた異文化空間の町のように見えるかもしれない。

【思ったこと】
_61112(日)[教育]大学教育改革プログラム合同フォーラム(1)有馬朗人氏の基調講演(1)

 11月12日(日)〜13日(月)、横浜市みなとみらいの「パシフィコ横浜」会議センターで、表記のフォーラムが行われた。主催は文部科学省および財団法人文教協会。フォーラムでは、特色GPや現代GPに採択された学校のポスターセッションのほか、いくつかの基調講演、パネルディスカッション、分科会が同時開催された。現在このWeb日記では日本心理学会年次大会の参加感想を連載している最中ではあるが、記憶の新しいうちにこちらの感想を先に書き留めておくことにしたい。

 一日目午前中にはまず、有馬朗人・科学技術館長(元文部大臣、元東大総長)による基調講演が行われた。有馬氏のご講演を拝聴するのは、確か、今回が3回目となる。

 有馬氏のご講演というと、「日本の高等教育への公的支出はGDP当たり0.5%で世界最低。改革には金がかかる。竹槍精神(=第二次大戦時のような精神主義)は失敗のもと」という持論を展開されることが記憶に残っているが、今回も、ほぼ同じことを強調しておられた。もっとも、今回はそれに加えて、この15年余りの成果についても言及された。有馬氏が東大総長になられたのは平成元年、文部大臣(当時の呼称)をつとめられたのは平成10年7月から11年10月まで(参議院議員は平成16年7月まで)であったというから、15年余りの成果とは、まさに有馬氏ご自身の成果でもあったということになろう。具体的な数値としては
  • 科学研究費:1990年には約550億円/年。これは日立や東芝の一社当たりR&D、2000〜4000億/年よりも少なかった。しかし、1995年に科学技術基本法が成立し、予算規模は科研費だけでも2000億年/年に増加した。
  • 第三者評価による競争原理の導入や、21世紀COEプログラム創設により、世界最高水準の大学の育成がはかられた。
  • その成果として、1985年に比べて2003年では、発表論文数は6.5%から10%に、非引用度は6%から9%に増加した。大学院生の論文数が急増したことも大きな成果である。
 余談だが、論文の被引用度に関しては、この指標が取り上げられた当初は、「たくさん引用されようと思ったら、間違えた論文を書けばいい」などという声もあったとか。

 あと、これは冗談では済まされないことだが、基礎数学の論文数や、英語以外の外国語学・外国文学関係の論文数はあまり増えていないという。有馬氏は、これはもしかすると教養部廃止の影響ではないかとちょっとだけ言及されたが、時間が限られていたせいか、それ以上の見解はこの場では示されなかった。

 次回に続く。