じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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[今日の写真] 7月13日の岡山の最高気温は35.3度まで上がり、この夏初めての「酷暑日」となった。最低気温25度以上の熱帯夜も14日までで6日連続となる。
写真は14日早朝、散歩道沿いにあるヤマモモ。すでに真夏の空が広がっている。



7月13日(木)

【思ったこと】
_60713(木)[心理]スキナーの言語行動論とPECSの活用(1)

 高等教育セミナー参加のため上京していた7月7日の夜、

●自閉症児にコミュニケーションを教える指導法 PECSと言語行動論
講師:Andy Bondy ,Ph.D 〔Pyramid Educational Consultants, Inc.〕

という特別講義があったので、永田町から千鳥ヶ淵、靖国神社経由で会場の法政大学まで歩いてみた。7月8日の日記に書いたように、法政大学は靖国神社と隣り合わせに位置していた。

 法政大学と言えば、日本で初めて民間の格付け会社から格付けを取得したことで知られている。もっとも、そのわりには建物が古く、また、学生食堂周辺には結構ゴミが散らかっていて、財政が健全という印象が持てなかった。会場となった教室はキャンパス内でも一番古い施設の1つであったようだ。郊外には別に広いキャンパスもあるようだが、狭くても都心には都心なりのメリットがあるものと思われる。

 さて講演では、まず、スキナーの著書『言語行動』:

Skinner, B. F. (1957). Verbal behavior. New Jersey: Prentice-Hall.

についての紹介があった。
  • この本は難解であること(←スキナーの英語は全般に難解だが)
  • スキナーの他の著作は実験的証拠を重ねながら展開されているのに対して、この本はむしろ、概念的枠組みを示したものであること
  • したがって、この本には、応用に役立つような具体的方法は記されていない。しかし、研究を進める上での指針として大切であること
などが指摘された。もっとも、スキナーの著作の中で、実験データに基づいて理論を積み上げたり、あるいはそれを基に数式を立てて何かを量的に予測するなどという研究はもともとそれほど多くはないように思う。


 続いて、その基本概念である、マンド、タクト、イントラバーバル、エコーイック、オートクリティックなどについて、事例を交えた解説があった。会場には、行動分析学会の元会長O先生を初め、S先生やY先生なども参加しておられたが、その一方、スキナーについては何も知らないという学生・大学院生も多数おられたようだ。公開講義という特殊事情もあり、基礎的な解説からスタートするのはやむを得ないことであったとは思うが、あれだけの短時間のなかでどれだけ理解してもらえたかどうかは不明である。

 次回に続く。