じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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[今日の写真] プリムラジュリアン。行きつけの花屋で10ポット498円で購入。数ある園芸植物の中でも、赤・黄・青の3原色をこれほど鮮明に揃えた品種が見当たらない。



3月1日(水)

【ちょっと思ったこと】

放送されなかったウイニングラン

 昨日夜、イナバウアーとは何かという話題で楽天日記を書きながらネットを検索していたところ、偶然、荒川静香選手のウイニングスケートを放送しなかったNHKというサイトがあることを知った。

 トリノオリンピックの女子フィギュアスケート・フリーの演技は私も生中継で観ていたが、荒川静香選手が表彰式後に行った日の丸をまとってのウイニングスケートを行ったということは全く知らなかった。なぜこのシーンがカットされたのか、単純に放送スタッフのミスなのか、放送権上の問題なのか、あるいは何かの政治的意図によりカットされたのか現時点ではよく分からないが、とにかく原因究明が待たれるところである。

 NHKの姿勢はともかくとして、とにかくスポーツ中継というのは、放送権が絡み、結果的に、視聴者の視野を著しく制限することが多い。よくあるのがプロ野球中継。マラソン大会や各種世界選手権などの様子も、放送権を持っていない局では結果すら伝えられないことがある。今回のケースなども、複数の局が同時中継していれば、もっと多様な角度から演技の前後の様子を観ることができたはずだ。競争原理とか言っても得をするのは主催者側のみ。とばっちりをうけるのが視聴者である。

 スポーツ中継に限らず、我々は、テレビの生中継は事実をありのままに伝える最適のメディアであると信じて疑わない。しかしそれは、伝えられた時の話である。例えば、イラクやアフガニスタン、あるいはアフリカのいくつかの地域で繰り広げられていると伝えられる残虐な殺戮行為は、生中継で伝えられることが無いため、我々には何も分からない。政治的に都合の悪い事実は隠蔽され、我々は、常にそのコントロールを受けている。

 こうしてみると、生中継で伝えられない部分にこそ本当の事実があると言えるのかもしれない。





スケートはなぜ滑る? 

 3月1日付け朝日新聞・科学欄に「スケートなぜ滑る?」という記事があった。これまで、スケートというのは、スケートの歯(ブレード)が圧力をかけて表面の氷を溶かして摩擦力を減らすために滑るのだと思っていたが、そんなに単純なものではないらしい。

 記事によれば、私が聞かされていたような説は「圧力融解説」といって、1886年に英国のジョリーが唱えた説らしい。じっさい子供向けの科学の本などでもそのように書かれていたと思う。

 しかし、この説では、氷点下30度というように、氷が溶けない状況でもスケートができることを説明できない。というか、普通の靴でもカーリングの石でも氷の上では滑るが、その際必ずしも氷が溶けているわけではない。

 これに代わる説としては、摩擦融解説」1939年、バウデンら)、疑似液体膜潤滑説(1951年、ワイル)、凝着説(1973年、対馬勝年)などがあるという。一番最後の「凝着説」は、他の説と異なり、氷の表面に水があることを前提としていない。

 これらの説の中では、最後の凝着説がいちばん応用可能性があるように思う。水があることを前提としないならば、氷以外の物質でもスケートリンクを作れる可能性が出てくるからだ。凝着説は、フライパンにフッ素樹脂を塗って滑りやすくするのと同じ原理だというが、これをうまく応用すれば、東南アジア、アフリカ、南米などの熱帯地域でも、製氷のエネルギーを消費せずにスケートリンクを作ることができるはずだ。