じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



1月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る
[今日の写真] 1月15日早朝の月。月齢もほぼ15。岡山市では、1月13日から14日にかけてたっぷりと雨が降り(合計33.5ミリ)、農場の田んぼには久しぶりに水たまりが出現。満月を映していた。



1月15日(日)

【ちょっと思ったこと】

今年の年賀状のお年玉

 平成18年「お年玉付郵便葉書」及び「寄附金付お年玉付年賀切手」の当せん番号が発表になった。我が家では、約200枚のうち5枚が4等。確率的にはほぼ期待値どおりの当選と言える。以前にも書いたがことがあるが、お年玉付き年賀葉書で1等が当たる確率は50万分の1、いっぽうこちらによれば、宝くじで1等または2等が当たる確率は、サイコロの同じ目が8回連続出るのにほぼ等しく167万9616分の1。お年玉付き年賀状で1等が当たったことが無いのに、それより確率の小さい宝くじで儲かるはずがないというのが私の考えであり、私は未だかつて一度も宝くじを買ったことが無い。

 しかしそれはそれとして、仮に一等が当たっても年賀状のお年玉は欲しいモノが何もない。ハワイ旅行なんぞも、マウナケアやとマウナロアに登るツアーならともかく、それ以外のレジャーやショッピングには全く興味がわかない。電化製品はたいがい持っており、新しく貰っても場所ふさぎになるだけだ。外れたことへの負け惜しみと言えばそれまでだが。

【思ったこと】
_60115(日)[心理]医療・看護と福祉のための質的研究セミナー(1)参加の目的

 1月15日午後に大阪府立大中百舌鳥キャンパスで行われた

医療・看護と福祉のための質的研究セミナー「あなたにもできる質的研究:着想から投稿までのノウハウを教えます」

というセミナーに出席した。

 大阪府立大を訪れるのは今回が初めて。11時15分発の新幹線で岡山から新大阪に向かい、JR在来線の快速や南海電車を乗り継いで会場に向かったが、到着したのは13時15分で丸々2時間かかってしまった。後で確認したが、南海電車の白鷺駅で降りるよりも、地下鉄御堂筋線で中百舌鳥駅に直行するほうがよほど早かったようだ。次回行く時には地下鉄を利用することにしよう。

 このセミナーに出席しようと思った理由は3つほどあった。

 1つは、私のところでも毎年のように「質的方法」で卒論を書く学生が居るのだが、査読をしていて、「これはスゴイ!」と唸らせるようなものがなかなか見当たらない。指導に役立つようなヒントは何かないものだろうか、これを教えてもらうのだ第一の目的であった。

 次回以降に詳しく述べるが、この点では、今回の田垣正晋氏の基調講演はたいへんタメになった。ちなみに、田垣氏のレジュメによれば、「量的研究は、質が悪くても、なにかをしたような体裁を保つことはできる。しかし、質の悪い研究は,....」となっていて、「...,」のところは、私の聞き間違いでなければ、どうやら「中学や高校の文化祭の発表のようなもの」が入るようだ。

 もちろん、中学・高校の生徒たちも、総合学習や課外学習のテーマに熱心に取り組んでいる。しかしいくら熱意があっても、依って立つ方法(データ収集法、分析法)がしっかりしていなければ、研究と呼べるだけの成果を挙げることが難しい。いっぽう、量的研究の場合は、たとえそれが、実験のための実験としか呼べないような閉じたモデルに関わる変数いじくりであっても、統計解析法を使うことで何となく「研究」らしく見えてくる。本当はそれでは困るのだけれども、とにかく「質の悪い」質的研究ほど扱いに困るものはない。

 第二の目的は、6月に私のところで開催予定の「人間・植物関係学会2006年大会」で、できれば、質的研究の専門家をお招きして、園芸療法の効果検証をめぐる新たな視点を提示してもらいたいと考えていたためである。会場ではそのような交渉には至らなかったが、メイルで依頼を出すきっかけづくりにはなったかと思っている。

 第三の目的は、「面接調査法」に関して私がいだいている疑問を解決しようと思ったことである。こちらの論文でもふれたことだが、質的研究はどうも、インタビューに頼りすぎているのではないかなあと、近頃ますます思いつつある。この点は、シンポの終わりにも、姉歯・元建築士の事例を出して質問させていただいたところであった。

 姉歯氏がなぜ耐震強度偽装を始めたのか、ということは果たして、姉歯氏へのインタビューだけで解明できるだろうか。彼自身のライフストーリーとして意味づけするだけならそれも可能かもしれないが、今後の再発防止策を検討しようと思った時には、インタビュー内容について、本人の行動や彼をとりまく行動環境についてちゃんとした裏付けをとる必要があるだろう。福祉・医療場面でも同様であって、インタビュー結果を分類・関連づけしたり、そこから仮説生成するだけで福祉行政に有効な提言ができるものだろうか。このあたりの疑問を解決できればと思った次第である。

 次回に続く。