じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] 最近は、玄関や庭先でクリスマスのイルミネーションの飾り付けをする家が増えているが、我が家やアパートなので無理。代わって登場しているのが玄関横のクリスマスグッズ。



12月25日(日)

【ちょっと思ったこと】


羽越線特急脱線転覆事故

 12月25日19時すぎ、特急列車が強風にあおられて脱線転覆し、26日朝の時点で3人死亡、1人が救出中、32人がけがをされたという。

 この事故の映像を最初に見たとき、おやっ、見覚えのある車体だなあと思って注目したところ、事故が起こったのは山形県庄内町のJR羽越線であり、秋田発新潟行きの特急「いなほ14号」が最上川にかかる鉄橋付近で脱線したものであったことが分かった。

 羽越線と言えば、今年の6月に新潟から鶴岡まで、「いなほ7号」に乗車したことがあった。それほど速い特急ではなかったが、上越新幹線との乗り継ぎとなるため、このルートが、東京方面から鶴岡まで鉄道を利用する場合の最短コースであった。

【思ったこと】
_51225(日)[心理]少年院退院者の支援こそ大切

 大阪市浪速区のマンションで11月、姉妹が刺殺され室内が放火された事件で、22歳の男が容疑者として逮捕されているが、この男は16歳の時、2人暮らしだった母親を金属バットで何度も殴りつけて殺害した前歴があるという。

 このことをめぐって、最近は、16歳当時の「中等少年院送致の保護処分」の妥当性や、その後の少年院の処遇や保護観察の在り方に対して、批判的な論調が多くなっているように思われる。じっさいこの男は対人関係が困難な発達障害を指摘されていたにも関わらず、それに見合った処遇は行われていなかったようだ。また、少年院の教官を対象に実施した調査では、73%の教官が「最近、処遇困難な少年が増えた」と回答しているとの報道もあった。

 もっとも、この容疑者の場合は、必ずしも性格的な問題だけが事件の原因ではなかったように見える。伝えられるところによれば、この男は、少年院退院後、地元のパチンコ店に勤めたが、人間関係などが原因で全国各地の店を転々とし、最近ではパチスロ機から不正にコインを引き出す「ゴト師」グループに出入りし、パチスロで生計を立てていた。今年3月には岡山県のパチンコ店で、特殊な機器を使ってコインを得ようとして窃盗未遂容疑で逮捕されたが、起訴猶予に。その後、山地容疑者は7月上旬、ゴト師仲間の紹介で大阪にやって来たという。しかしそこでもなかなか「収入」が得られず、ゴト師のリーダーからは「やる気が無いなら出て行け」と追い出される。殺害事件後も、現場近くの公園や神社で野宿を繰り返すなどしていたという。

 パチンコ店を転々とせざるを得なかったのは、対人関係が困難な障害に一因があるとは思うが、そういう障害があっても社会に復帰できるような対策を取らなかったことは問題だ。今回の場合なども、逮捕が遅れていれば、さらに第2、第3の殺人事件が発生した恐れもある。

 杉浦法相は12月20日の閣議後会見で、この事件に関連して、「定職がなかったことが一つの原因ではないか。国や地方自治体が何らかの形で働き場所を確保できるよう知恵を絞りたい」と、少年院退院者に対する就労支援策の強化を検討することを明らかにしたという。この場合、単に、就職先を斡旋するというばかりでなく、対人関係その他の障害があってもうまく適応できるような環境を用意する必要がある。