じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] [今日の写真]  県北の岡山県立森林公園で見たマユミ(写真左)とコマユミ(写真右)。いずれも11月21日撮影。

 すでに紅葉は終わっていたが、これらの赤い実が輝き、マユミ園地は桜が満開になったような華やかさであった。



11月22日(火)

【ちょっと思ったこと】

マンション不信時代

 建築士がマンションなどの強度を偽っていた問題に関連して、関係する各自治体の調査に対し、一部の施工業者が工事の記録を提出しないなど不誠実な対応をしているという。なかには、鉄筋の量などを記録した写真を保存してあったパソコンごと盗まれたとして提出しないケースもあるというが、このことからみて、千葉県市川市の建築設計事務所絡みの強度偽装は氷山の一角であり、今後の調査で、何十倍、何百倍にものぼる不正が発覚する可能性が出てきた。

 こうしてみると、マンション購入にあたっては、見た目の豪華さ(キッチンなどの内装、外観)に惑わされることなく、とにかく、耐震基準をちゃんと満たしているか、その検査はきっちり行われているか、万が一欠陥があった時に、それを補償してくれるだけの資金力があるのかといった点に一段を注意を払う必要がありそうだ。

 今回の欠陥発覚に際して、一部の業者は「買い取り請求ではお金がかかりすぎるので、建て替えで応じたい」と言っているそうだが、これは裏を返せば、「返金額より建て替え経費のほうが安くつく」、つまり、販売でいかに利益を上げているのかという本音を述べたものとも言える。

 こうなってくると、新築マンションより、信頼できる施工業者が建てた築30年〜40年のリフォームマンションのほうが、いくらか安全かもしれない。
【思ったこと】
_51122(火)[心理]加齢の空しさにどう立ち向かうか(3)利己主義と利他主義

 昨日の日記の続きで連載の3回目。

 市場原理を標榜する新古典派経済理論は、
人間が利己的経済主体であり、市場でその生産物の価格を高めるため努力し、競争し、評価された額をその所得として受け取ることに倫理的正当性を認めるものである。
ということを、倫理学的解釈として受け入れていると言われる(2002年11月11日の日記参照)。

 この「利己的」という言葉はウィキペディアにも記されているように、利他主義と対立的に説明されると言われている。しかし、「利己主義」と「利他主義」は必ずしも対立的ではない。また、ひとくちに利己主義と言っても、心理的利己主義もあれば、倫理的利己主義もある。完全に個人本位の利己主義もあれば、集団本位の利己主義(所属する集団の利益のためには自己を犠牲にすることもあるが、他集団に対してはきわめて利己的に振る舞う)もある。いっぽう、利他主義(あるいは愛他主義)のほうも、完全に自己を犠牲にする利他主義もあれば、相手の利他的行動を誘発するために利他的行動をとるのだとする互恵的利他主義もある。

 いずれにしても、利己主義を否定・克服しなければ利他主義に進まないというものではない。加齢の空しさに立ち向かうためには、むしろ、「利己主義を否定しない利他主義」、あるいは「自己を活かす愛他主義」の可能性をさぐることが大切ではないかと思う。


次回に続く。