じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] [今日の写真] 「休日出勤」から帰る時、時計台(図書館)の建物だけが夕日に照らされ、人工的なライトアップのようになっていることに気づいた。春分の日から秋分の日までの間は、太陽が北西の方向に沈むため建物南面には夕日が当たらずこのような光景は見られない。半面、冬至が近づくと、南西側にある文学部の5階建ての建物の影になるためやはり夕日は当たらない。また、夕刻に完璧に晴れないとダメ。たぶん、滅多には見られない光景である。

 いっぽう、東のほうに目をやると月齢13の月がちょうど昇るところであった。ちょうど真東の方向だったので念のため天文年鑑で調べたところ、この日の午前8時37分に「月が赤道通過」とあった。ちなみに、10月17日の21時3分前後に視直径の7%弱が欠けるだけの部分月食が観測できる。なお、日食と異なり、月食は月自体に影がうつる現象であるため、欠ける率や欠ける時刻はどこで見ても同一。


10月16日(日)

【ちょっと思ったこと】

スーパーに立ち寄った目的を忘れる

 金曜日の夜、回転寿司で夕食をとったあと、近くのスーパーに立ち寄った。スーパーに立ち寄ることは寿司屋に行く前から予定していたのだが、さて店内に入ってみたところで、何を買うつもりだったのかをスッカリ忘れてしまった。何度か店内をウロウロしてみたがどうしても思い出せなかった。

 しかし、日曜日になって、なぜあの時スーパーに行こうとしていたのかがやっと思い出せた。その目的は→→こちら




灌漑がもたらすシルクロードの砂漠化

 16日の夜、NHKシルクロードの第8集カラホト 砂に消えた西夏の後半部分を視た。

 9月20日の日記に書いたように、先月の第7集青海 天空をゆくは、パッケージツアーそっくりのコースを辿っただけで物足りない感じがしたが、今回の第8集では、現地の人々の生活の新たな困難などが描かれていて感動的であった。

 カラホトが滅んだ理由の1つは、14世紀末期に起きた、小氷期と呼ばれる不安定な寒冷期の出現であると言われている。しかし、カラホトより北西側に位置するエチナ・ソゴノール村(エチナ旗)は、その後も黒河(エチナ川)の豊かな水に恵まれ、この世の楽園を形成していた。

 ところがそのエチナも、今は、川の水が干上がり、砂嵐が吹き荒れるようになった。放牧で生計を立てていた人々は半ば強制的に移住を余儀なくされた。

 こういう話を聞くと、地球温暖化・砂漠化がここまで進んでいるのかと思ってしまうが、番組によれば、黒河が干上がったのは実は、中流域に120箇所以上の灌漑用の堰が作られ、下流まで水が届かなくなったためであることが分かった。その影響で、エチナ・ソゴノール村で生まれ育ち、放牧で生計を立てていたガウ・ガウミーさん一家のヤギは100頭から50頭に減り、しかも大きく太らなくなってしまった。政府は放牧民を半ば強制的に移住させようとする。移住先の住居は無償で与えられ優遇されているようにも見えるが、ヤギは10数頭しか飼えなくなる。放牧以外の新たな職に就く以外には生計を維持することができない。

 ここまでの話を聞くと、そんなむごい仕打ちをするな、放牧民の暮らしを守れという気にもなってくるが、灌漑によって砂漠が農地に代わり何十万人もの人々の食糧をまかなえるようになったという事実も忘れてはならない。いくら先祖伝来の放牧があったといえども、100頭のヤギを守るために川の水を流し続けるのか、それとも、途中で堰き止めて、広大な農地を潤すほうがいいのかと言われると迷ってしまう。

 けっきょくのところ、いくら灌漑が進歩しても、あるいは植林を進めたとしても、あの地域で利用できる水源の総量は限られているのだ。科学技術は万能ではない。

追記]
お正月にカラホトへ旅行したい方にはこちらのツアーがオススメ。





★スーパーに立ち寄った目的★

芋掘り大会で収穫した芋を保存する段ボール箱をもらいに行くため