じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] 秋分の日の彼岸花。手前にはキノコあり。


9月23日(金)

【ちょっと思ったこと】

台風とハリケーンの名前

 アメリカ南部に接近しているハリケーン「リタ」は、日本時間の24日午後、テキサス州とルイジアナ州の州境付近に上陸する見通しであるという。CNNNYタイムズなどのサイトではTOP画面で、関連ニュースが刻々と伝えられている。

 ところで、先日の「カトリーナ」や「リタ」といったハリケーンの名前に関して、先日、

Atlantic storm names may go Greek

という興味深い記事があった。最初に見出しを見た時には、ハリケーンが地中海のギリシアに上陸するのかと思ってしまったが、よく見ると「names」とある。また、記事を読んで、この場合のGreekは、ギリシアではなく、ギリシア文字であることがやっと分かった。要するに、あらかじめ決められている命名リスト以上にハリケーンが発生しそうなので、そうなった時は「α」、「β」といったギリシア文字で呼ぶことにしようという内容のようだ。

 なおハリケーンの名前は、単語の先頭の文字がアルファベット順になるように名前を選び、そのリストをAから順番に使い(但しQ、U、X、Y、Zの5文字は利用しない)、1年ごとのリストを6年周期でサイクルさせることになっているという。但し、大災害をもたらした名前はリストから外される。大災害をもらたした「Katrina」はおそらく「引退」するものと思われる。2005年から2010年のリストはこちらから閲覧できる。


 いっぽう、9月24日現在、日本の南海上には台風17号(サオラー)が、また南シナ海には台風18号(ダムレイ)があるが、これらは、北西太平洋領域で発生する台風防災に関する各国の政府間組織である台風委員会(日本ほか14カ国が加盟)で合意された140個のリストの順で命名されることになっているという。サオラーはちょうど140番目の名前、ダムレイは、平成12年の台風第1号につけられた名前と同一、つまり、これで2巡目に入ったことになる。

 ちなみに、これらのリストに入っている日本の提案名の一部を紹介すると、

●ウサギ、ワシ、トカゲ、ヤギ、カジキ、クジラ

などとなっていて、初めて聞いた人はどういう関連性があるのかと首をかしげることだろう。上記以外に日本が提案した名前は

●コップ、コンパス、冠、天秤

となっていて、天文ファンであればここらでやっと「ああ、星座の名前か」と気づく。といっても、日本で比較的知られている星座は、この中では、わし座(=彦星)とてんびん座ぐらいか。

 何かのクイズ問題に使えそうだ。

【思ったこと】
_50923(金)[心理]日本心理学会第69回大会(12)詩的表現のもつ語りの力(3)詩的表現の特徴

 日本心理学会第69回大会の参加感想の12回目。

 またまた一日空いてしまったが、

【9月11日 夕刻】WS70 詩的表現のもつ語りの力-----質的心理学の方法論(2)(企画・司会:やまだようこ、話題提供:やまだようこ、サトウタツヤ、矢守克也、指定討論:南博文、本山方子)

についての感想の続き。

 宮沢賢治の詩の朗読に引き続いて、やまだようこ氏は、詩の特徴として、「短い」、「リズムがある」、「繰り返す」「韻を踏んでいる」「余白がある」「切れている、ある種の対話性を持っている」「それによって移りや新しい構成が生じる」「全体的なイメージ」「本質をズバリ突く」「すぐれた思想の表現」などを挙げられた(←一部、聞き逃したところあり)。

 詩というのは短い表現をとるのが普通であるが、その際、誰もが共通に知識として持っていないることは短くできる。また、これは三島由紀夫の引用だったかどうだったか忘れたが、はかりで分銅を調整しながら重さを量るように言葉を1つ1つ吟味する、というようなお話があった。前回言及した宮沢賢治の詩なども、ずいぶんと慎重に言葉が選ばれているらしい。もっとも、宮沢賢治の詩に限っては、彼自身が地学や天文にも造詣が深かったこともあり、「誰もが共通に知識として持って」いない言葉がポンポンと飛び出してくる。じっさい今回その一部が引用された『春と修羅』の序文の
新進の大學士たちは気圏のいちばんの上層
きらびやかな氷窒素のあたりから
すてきな化石を發堀したり
あるひは白堊紀砂岩の層面に
透明な人類の巨大な足跡を
発見するかもしれません

すべてこれらの命題は
心象や時間それ自身の性質として
第四次延長のなかで主張されます
という結びなど、一般人には聞き慣れない言葉がいくつか含まれている。

 なお、質的心理学との関係で言えば、ここではナラティブとして詩を使うわけだが、広い意味での言語で書かれたものであれば何でもテクストとして扱えるというようなお考えが表明された。

 このほか、草野心平、ミロの絵、ポエティック・リアリズム?、橋本操さんの話などが出たが、なにぶん、ワークショップ開催日から2週間が経過してしまって記憶が曖昧になってきたため、ここでは、そういう話があったというメモだけ残しておくことにする。

 さて、このワークショップではもう1つ、矢守克也氏から。たいへん示唆に富んだ話題提供 があった。次回にこのことを取り上げて、今回の感想連載をしめくくりたいと思っている。