じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] 岡山では8月30〜31日に最高気温が30度未満、最低気温21度台になって秋の到来が感じられたが、その後9月に入ってから
  • 9月2日:最高気温33.4度、最低気温25.8度
  • 9月2日:最高気温33.9度、最低気温25.2度
  • 9月3日朝:引き続き26度台の熱帯夜を記録【】。
というように、真夏並みの残暑が戻ってきた。そんななか、百日草が勢いよく花を咲かせ続けている。

9/3]
この日の最低気温は25.9度。最高気温は33.1度であった。



9月2日(金)

【ちょっと思ったこと】

ブッシュ大統領の愛犬と被災地の犬

 ハリケーン・カトリーナの被害の様子が連日伝えられている。その中で、水没した民家の屋根から男性がボートで救出されている映像があった。私が気になったのは、その際、黒い犬が一匹、屋根の上に取り残されていたことである。ボートに犬まで乗せられないというのは分かるが、あの犬はどうなったのだろう。

 その後、ブッシュ大統領が専用機のタラップを降り、ハリケーン被害に関する政府の対応についてインタビューを受けている映像を見た。タラップを降りる際に、黒いものを小脇に抱えているので何だろうと思ったら、黒いスコッチテリア。ネットで検索したところ、どうやらバーニーという愛犬らしい。

 被災地では政府の対応の遅れに対する不満がブッシュ大統領への直接的な批判に結びつつあると伝えられているが、2匹の犬の映像がまさにそれを象徴しているように見えた。


【思ったこと】
_50902(金)[教育]岡大FD研修“桃太郎フォーラム”(2)大学院教育におけるFDの必要

 9月2日に岡大FD研修“桃太郎フォーラム”が開催された。このフォーラムは午前中は特別講演、午後は分科会に分かれての討論となっている。ここでは午前中に拝聴した講演の中から、いくつか印象に残った話題を備忘録代わりに記しておくことにしたい。

 まず、複数の講演者が指摘していたのが、大学院教育におけるFDの必要性だ。ある講演者によれば、大学院教育というのは粗放農業のようなもの。とにかく種だけ蒔いておいて、うまく育った作物(=成果をあげた優秀な大学院生)は刈り取る。いっぽう、芽が出ない院生に対しては「そもそも大学院に入ったこと自体が間違いであった」と諭す。そういう「競争的環境」の中で、次世代の研究者が「養成」されるというのが従来のやり方であった。

 しかし、こういう「養成」法では、きわめて優秀な大学院生は国内大学院には入学せず、米国の大学院あたりに流出してしまう恐れがある。一流の大学院であればあるほどその危機感は強まっているように見えた。

 では具体的にどういう教育を行えばよいのか。ノーベル賞受賞者のお一人の利根川進博士のご発言などによれば、単に「何でも研究しなさい」ではダメであり、院生の持っているアイデアが学界の研究のレベルにどこに位置するのかをちゃんと教えていくことが大切。また、TAを単なる教育補助者として活用するのではなく、教育・研究の後継者として育成することも大切というようなお話であった。最近ではまた、専門学会による大学院生支援の話も聞く。

 もっとも、大学院教育のFDを全学で取り組むとなれば、いろいろな限界も出てきそうだ。分野が異なれば教え方も違ってくる。文学部の中でさえ、あまりにも違いが大きすぎる。

 私自身はいちおう、大学院(文化科学研究科)の教育・指導評価委員を仰せつかっており、在籍する大学院生を対象にアンケート調査を実施したことがある。しかし、回答内容は、図書館利用の利便性、院生室の改善など所謂「教育インフラ」に関することに限られていた。このほか、時たま、アカハラが問題となることもあるが、カリキュラムや教授法など、大学院教育自体についての改善については、実際は、各領域任せとなっているのが現状である。

 今後はおそらく、英語論文の書き方、プレゼンテーション技術、短期留学サポート、TA研修と従事内容拡大、などの形で改善が進むものと思うが、教え方そのものについての改善は評価や効果測定にも限界があり、具体的なアイデアがなかなか浮かばない。

 次回に続く。