じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

8月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る
[今日の写真] [今日の写真] 旅行中に多少気になっていたのが大学構内の野良猫たちの消息であったが、戻ってみると、ふだんと変わらぬ様子で自転車カゴで暑さを凌いでいた。
なお、左の写真に、自転車の下敷きになっているように見えるネコは、単に、倒れていた自転車の下に潜り込んでいるだけであって気絶しているわけではない。念のため。


8月20日(土)

【思ったこと】
_50820(土)[旅行]イラン最高峰登頂とカスピ海(2)なぜこの山に登るのか

 今回のツアーを企画募集した会社によれば、今年の夏にダマバンド山に登った日本人は20人弱。他社ツアーや個人手配を含めても30人を超えることはあるまいと思われる。

 夏期にこの山に登ることの難易度は、標高が高いという点を除けば富士山と殆ど同様であった。ガスに巻かれた行方不明者や、足を滑らせて負傷した登山者がいることは確かだが、ガイドのアドバイスに従って呼吸を整えながら一歩一歩登る限りにおいては、決して危険な山ではない。高度障害(高山病)さえ起こらなければ、小中学生でも十分に登れる山であると思った()。
8/21追記]
ダマバンド山は、夏期であっても雪や霰・雹が降る山である。ここで「小中学生でも十分に登れる」と書いたのは、条件が最良の時の話。今回の場合も、登頂日の夜には雷を伴った降雪があり、山頂部は一夜にして真っ白となった。この場合、積雪が柔らかければロングスパッツかオーバーズボンで済むが、凍結すればアイゼン必携となり小中学生では危険な山となる。念のため。


 さて、そもそも、この山に登る意義はどういうところにあるのだろうか。

 まず、世界百名山に少しでも多く登ってみたいという方は、この山を外すわけにはいかない。ちなみに、標高順リストでは、この山は88位にランクされている。但し、前回も書いたように、この山の実際の標高は5390〜5400m程度であるので、ロシアのエルブルースやメキシコのポポカテペトルよりやや低く、第90位ということになるかもしれない。

 5000m峰を1つでも多く登りたいと思っている方にとっては、この山はうってつけと言えるだろう。但し、「5000m峰は一生に一度だけ登ればいい」と思われている方には、ボリビアの山旅のほうをオススメしたい。ボリビアの山旅は、高所順応には理想的な日程となっているし、すべてホテル泊日帰り登山なので消耗も少なく、また何よりも、周囲の美しい景観が楽しめるという点で一押しだ。もっとも、海外安全情報にも記載されているように、ボリビアという国はしょっちゅうデモや道路封鎖が行われている。大部分の地域は平和でみなのんびりと暮らしているのだが、ラパスや空港周辺がターゲットになるのが痛い。今年の夏も、いくつかのツアーがキャンセルされた模様である。

 山麓のお花畑を楽しみたいという方にとっても、この山はたいへん魅力的である。いずれアルバムサイトに掲載する予定であるが、私が登った時にも、大型のアザミのほか、種々の高山植物が咲き乱れていた。もっとも、この山で最も有名なのはポピーの花らしい。こちらの写真にあるように、6〜7月には、赤色のケシの花が山麓一体を埋め尽くすという。残念ながら私が登った8月中旬にはすでに花は終わっていた。ということもあるので、日程の都合のつく方は7月中に登られることをオススメしたい。

 以上、いくつか挙げてみたが、私にとってはやはり、山麓からその山を仰ぎ見て、その山の美しさに惹かれ、ぜひ一度は登ってみたいという素直な気持ちが起こることが、登ることの主たる理由になるのではないかと思う。こちらこちらの写真にあるように、ダマバンド山は、美しさという点で世界第一級の山の1つでであることは間違いないと思う。