じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] 大学構内の鬱金桜(手前の枝)と八重桜。鬱金桜のほうは、花の中心部が赤く染まりだした。奥の建物は文学部。


4月23日(土)

【ちょっと思ったこと】

ウイルス対策ソフトによるPC被害と、意外な危険性

 各種報道によれば4月23日午前、ウイルス対策ソフトの1つ「ウイルスバスター」の更新ファイルに不具合があり、一般家庭のほか、
  • 富山市長・市議選の期日前投票が手作業に
  • 大阪市営地下鉄で、各駅に事故情報を伝えるシステムのコンピュータが起動しない
  • JR東日本で、ツアーや宿泊予約を管理する端末に障害
  • 共同通信社で電子編集システムに障害
  • 朝日新聞、讀賣新聞、日経新聞などで社内LANに接続しづらくなる
といった影響が出たという。私の研究室はすべてNorton系を常駐させているため今回の被害は免れたが、いつどういう形で障害が起こるか分からない。卒論・修論の提出締切間際にこんなことになったらと思うとゾッとする。

 それにしても、最近の勉学環境は、セキュリティ対策強化でずいぶんと不便になったものだ。2005年2月20日の日記で「情報端末室は消滅し学生はどの教室でも無線LANを自由に利用できる、という形には「進化」していないようだ」と書いたが、その後もますます対策が強化されている。現在の利用規程では、学内LANにつなぐパソコンはすべて、更新ファイルを最新に保った状態でウイルス対策ソフトを常駐させることが義務づけられるようになっており、よほどのことが無い限り感染やワームの侵入は免れるようになっているが、逆に今回のような障害のリスクが大きくなったとも言える。

 ウイルス対策ソフトを常駐させることによる問題は他にもある。
  • まず、とにかくお金がかかることだ。パソコン1台につき4000〜5000円。毎年買い換えが必要。ダウンロードによる有料更新も可能ではあるが、大学の研究室では、校費支払い上これは困難。また、それほど安くはならない。
  • 第二に、これによって処理速度が非常に遅くなることがある。例えば、5GBのモバイルディスクのバックアップをとる場合、本来は数分で済むところが、対策ソフトを常駐させていると1時間以上に及ぶことがある。
  • 「システムの完全スキャン」が起動すると、処理速度が著しく低下する。←夜中に作業させるという手もあるが、私が使っているような安物パソコンでは、常時電源を入れておくとハードディスクが壊れやすくなる。だいいち、エネルギーの無駄。


 ところで、この「システムの完全スキャン」というのは、思いも寄らぬところで個人情報を流出させてしまう恐れがある。
[写真]  写真右は、先日、某セミナーの会場で昼休みの休憩時間に撮影したもの。この会場は、ビデオプロジェクターの設備があり、発表者のノートパソコンを接続してパワーポイント・スライドのチェックが行われていた。その後、会場の係員や発表者が打ち合わせのために席を外していたところ、なっなんと、そのノートパソコンの「システムの完全スキャン」が突然起動し、スクリーンにパソコンに保管されているファイル名やフォルダ名が次々と表示されていったのである。幸い、会場で休憩していた人たちはごく少数であり、また、5分ほどで当事者が戻ってきてそのことに気づいたため事なきを得たが、もし、個人情報に関わるファイルなどが入っていると大恥を晒すところであった。

 ということもあるので、まずは、「システム完全スキャン」の自動起動をoffにしておくことが望ましいが、ミスはつきものである。念には念を入れるという意味で、プレゼン用に使うノートパソコンには、個人情報はゼッタイに入れないようにしよう。USBメモリーなどの中身も同様。また会場係員は、パソコン画面をスクリーンに映し放しにしないように注意しよう(←といっても、あれって、なかなかうまく映らない機種があるので、一回成功すると電源をoffにしたがらない傾向がある)。